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高岡早紀さん「ふだんも、主演舞台でも黒の着こなしを楽しんでいます」【COVER WOMENインタビュー】

高岡早紀さんの個性や魅力を際立たせる黒の着こなし。若い頃から身に着けることが多い色で、現在上演中の舞台『毛皮のヴィーナス』でもパンフレットでは黒の衣装。そんな黒の魅力、舞台について、今を楽しむ姿勢など伺いました。


フェミニン×マニッシュ、黒はお洒落を楽しめる色

誰より、黒が「映える」人。それでいて、誰より、黒が「なじむ」人。高岡早紀さんの存在感がぐっと際立つ、ひねりの利いたサマーブラックの着こなしに、はっとさせられた人は多いだろう。「若い頃から、クローゼットを開けると、一面『黒』(笑)。そのまま大人になりました。色とか柄とか、黒以外に挑戦したいという気持ちは常にあって、それなりに手に入れてきたんですけど、実際纏うとなると、手に取るのは結局、黒なんですよね。黒と黒ならどれを合わせても決まるし、ファッションに気を使っているようにも見える気がして。私にとっては、最も『お洒落を楽しめる色』なのかもしれません」

「格好いい」にも「艶っぽい」にも偏りすぎない黒の着こなしが好きだという。

「フェミニンな服を着ているイメージを持たれがちなんですが、実はそんなことはなくて。レースは好きだけれど、実際に纏うなら、マニッシュなアイテムを合わせるなどして、全部がフェミニンな方向に行かないようにバランスを取りますね。今日のコーディネイトも、そのバランスが計算されていて、とても楽しい撮影でした。」

今シーズンも、黒のアイテムを購入したという。「また黒ばっかり!」と言いながらも、「だからといって、黒を手に入れることにがっかりしているわけではないんですけどね」と笑う。

「きっかけは仕事だったんですが、髪色を明るくしたんです。すると、黒を着ても重くならないことに気がついて。黒って、色としての強さがあるから、ともすると格好よくなりすぎたり、艶っぽくなりすぎたりする時があるでしょう? 大人は特に、気をつけなくちゃいけないと感じていました。ところが、この髪色だと、今までよりずっと軽やかな印象に見えるので、そのままヘアスタイルをキープしています」

ドレス10万7800円(ヌメロ ヴェントゥーノ/イザ) 右手のリング3万4100円(リューク) 左手のリング3万1900円(ラッシェル アンド ウォルフ/ザ・ウォール ショールーム)

濃密な空間で熱を感じてほしい、舞台『毛皮のヴィーナス』

目下、まもなく主演する舞台『毛皮のヴィーナス』の稽古中。「理性」対「本能」という人間の欲望の根源に迫る、スリリングでミステリアスなふたり舞台だという。そのパンフレットの写真で着ているのも、やはり黒の衣装。全身黒のコーディネイトは、高岡さんが自身のイメージを丁寧に伝え、選び、決まったものなのだとか。

「役を演じる上で、衣装はとても大事だと思っているんです。目に見える要素から受けるインスピレーションは大きいから。役と服には『相対関係』がある気がして……。実は、ね。パンフレットの写真ではいているプラットフォームの黒の靴、私物なんです。もう何年も前に『いつ、この靴はくの?』と思いながら、あまりの可愛さにひと目惚れして購入。案の定、ずっとはかないまましまい込んでいたんですが、今回の役をいただいた時、『あっ、ヴァンダ(役名)ならこの靴をはくに違いない』とピンと来て。同時に思ったんです。この靴は私のところに来る運命だったし、いや、もしかしたら、この靴を持っていたから今回の役をいただけたのかもしれない、と。靴でも、服でも、バッグでも、ものってそれぞれ運命が決まっているような気がするんですよね。こうしてつながっていくからおもしろい。えっ?私、決してスピリチュアル好きじゃないですよ(笑)」

ものとの関係も、人間関係も、希薄になりがちな時代。だからこそ、「そこに行かなければ、体験できない」舞台に足を運んでほしい、と高岡さん。

「ストーリーはもちろんだけれど、演じる人と観る人、互いに生身の人間と接する舞台という場は、とても『濃密』。デジタルが当たり前になった現代、さらにコロナ禍で拍車がかかった今だからこそ、その時間、その空間を共有して、肌で『熱』を感じてほしいと思います」

ジレ6万3800円(チノ/モールド) パンツ5万600円(ウォルフォード/サザビーリーグ) ネックレス3万4100円〈参考価格〉(ジュスティーヌ クランケ/ザ・ウォール ショールーム) パンプス10万8900円(セルジオ ロッシ/セルジオ ロッシ カスタマーサービス)

「ちょっとお出かけ」は今を楽しもうとする気持ちの表れ

コロナ禍を経て、不安は残るものの、時代が前に大きく進み始めた今。「着る気持ち」が変わったと高岡さんは言う。
「最近ね、ふと気づくと、『ちょっとお出かけ』という表現をしているなあ、と。『ちょっと』ってランチ?お茶?それともディナー?きっと何でもよくて、『今を楽しもう』と気持ちの表れなのかもしれないと思うんです。すると、せっかくだから、『ちょっと』着替えようかなあ、と思う。外に出かけること、人に会うことが当たり前だった以前なら、『この服でいいか』『着替えなくてもいいか』と思っていたところを、今はその機会が貴重なものに思えて、せっかくなら、ファッションを楽しみたいと思うようになったんです。どうでもいいという着方をあまりしなくなったんですよね」

「明日着る服」は、「主役」から決める。「明日行く場所、会う人を想像して、トップスなのかボトムなのか、靴なのかバッグなのか、何かひとつ主役を決める。それからコーディネイトを考えている気がします。自粛期間中、家にいる時間が長かったから、クローゼットを整理したんですが、すると、服に光が当たるようになったんです。靴もバッグも、ね。そうしたら、明日何を着よう?をもっともっと楽しめるようになりました」

高岡さんにとって、「お洒落」とは?
「自分が好きなものを着ること、新しい服や靴を手に入れること……、それだけでやっぱり、気分って上がりますよね。今回、大好きな黒を纏う特集でしたが、こうして楽しい気分になると、自然と頬が紅潮するし、笑顔も増えるし、ほんの少しだけ自信も持てる。お洒落から巡るスパイラルがある気がして。改めてお洒落って大事、そう確信しました」


高岡早紀さんPROFILE

高岡早紀(たかおか さき)
1972年生まれ、神奈川県出身。女優のみならず、歌手、フジテレビ系列の情報バラエティ番組『ポップUP!』でレギュラーコメンテーターを務めるなど、幅広く活躍。主演舞台『毛皮のヴィーナス』が8月20日~9月4日、東京・シアタートラムにて上演。
11月8日(火)には歌手としての高岡早紀さんの艶やかな歌声を堪能できるライブを開催。
ビルボードライブ横浜にて、1st  18:00~、2nd  21:00~。

世田谷パブリックシアター『毛皮のヴィーナス』

高岡早紀さんライブ


高岡さん着用:ブラウス12万1000円、ベルト3万9600円、スカート6万6000円、ハット2万6400円(すべてヌメロ ヴェントゥーノ/イザ)

写真=彦坂栄治〈まきうらオフィス〉 スタイリング=酒井美方子 ヘア&メイク=中野明海 取材・文=松本千登世 ※GLOW2022年9月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。

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