LiLiCoさん×小田井涼平さんのしっかり伝え合う、夫婦のパートナーシップ「恋人時代も結婚後もずっと変わらない親友のような関係性 が心地いい」
執筆者:土谷沙織
私生活でのパートナー、仕事のパートナー、それぞれと良好な対人関係を築くことは、生きる幸せにつながります。人生100年時代、長い人生を前向きに生きるためにも40代の今こそパートナーシップについて見直してみては? 今回は、LiLiCoさんと小田井涼平さんにお話を伺いました!
一緒に食卓に着く機会が少ないから、TV禁止で会話に集中
小田井
実は僕らは、仕事の都合上なかなか時間が合わなくて、家で一緒に夕飯を食べられるのが年に数回しかないんです。そういうこともあり、うちは食卓ではテレビ禁止。会話に集中できます。
LiLiCo
時と場合によるけれど、なるべく目を見て話をしたいから、離れている時はテレビ電話で話すことが多いかな。特に〝 ごめんね 〟など、大事なことを伝えるのにLINEのメッセージだけで済ます、ということはしないです。他愛のない会話も、お互いの仕事のことをできるだけ知ろうとする努力も必要。明日はどこに行くなどはもちろん、失敗もうまくいったことも、何でもいいから話さないと。〝 どうして表情が暗いのかな?〟など、家族のことが理解できていない状態が続くのはとても怖いこと。
小田井
確かに。ネガティブな状況の時ほど会話は大事だし、格好悪いところも見せ合いたい。状況把握ができていれば、お互いに対してバックアップできるし、手立てを考える余地もあると思うから。
LiLiCo
〝 どうせ言ってもわからない 〟とあきらめてしまうのはダメ。言わない限りわからないのだから。
小田井
夫婦は、なるべく早いうちに自分の思いを口にした方がいいんじゃないかな。一旦できあがってしまった流れを途中で変えることの方が難しいと思うから。
LiLiCo
そうね。大切な相手だからこそ、嫌われる覚悟で自分の本当の思いを伝えることは必要。小田井 たとえ全部さらけ出して〝 無理だ 〟という結論に達したとしても、長い人生を考えたらそっちの方が前向きな気がします。
「共通の趣味がなくても価値観が一致しなくても何でも話せる関係性が夫婦には必要だと思う」
LiLiCoさん
1970年生まれ、スウェーデン・ストックホルム出身。18歳で来日。映画コメンテーター、女優、ラジオパーソナリティ、プロレスラー(今年3月引退)など、幅広い分野で精力的に活動。
記念日を祝う代わりに旅の土産で思い出を共有する
LiLiCo
わたしは記念日やイベントを大切にしたい派だけど、小田井は自分自身の誕生日ですら忘れちゃう人。
小田井
今までそういうものを気にして生きてこなかったからね。携帯のメモに入れていても忘れてしまう。せめて今の自分のライフスタイルの中でできることをやろうと思って、地方に行くたびにLiLiCoにお土産を買うことにしたんです。
LiLiCo
広島で鶴のピアスとかね。
小田井
なるべく地元のお店で店員さんと会話しながら買うようにしている。彼女が身につけてくれると、自分もその土地のことを思い出せるからいいんです。
LiLiCo
いっとき旅が続いた時は、毎日ピアスをもらったよね。耳がいくつあると思っているのよ! みたいな(笑)。でも、もちろんうれしかったですよ。
小田井
うれしいといえば、僕が相談もなく飼い始めた魚を、僕の不在時にLiLiCoは世話をしてくれているんです。
LiLiCo
グッピーの立会い出産なんて、もはやプロ級かも(笑)。水槽は、いつの間にか共通の趣味になっていますね。でも、共通点ってそこまで重要じゃなくて、お互いがおもしろいと思ったことを会話でシェアできれば、それで十分じゃないかな。
小田井
確かに、生い立ちも違うし、見てきたものも違うから、共通点を探す方が難しい。でも、それぞれが楽しいと思っている趣味の部分は、興味があるフリをして乗っかって一緒に楽しんであげるのも大事。そのうちに、本当に楽しくなっていくと思うから。
魚の世話をすることがいつの間にか共通の趣味に
疲れて帰ってきた日でも、水槽の手入れを楽しそうにしている小田井さんを見て、LiLiCoさんは金魚などのお世話テクを習得。
旅を心に刻むためにも思い出を相手へのお土産に託す
地方巡業の思い出作りとLiLiCoさんを喜ばせることを同時にかなえる、小田井さんなりの愛情表現が地方の土産店で見つけたピアスの数々。
お互いの家族や友人も自分の家族や友人として接する
小田井
LiLiCoは僕がいない時でも、僕の実家で両親と妹夫婦と甥っ子たちとご飯を食べたりして、僕の家族を自分の家族同様に大切にしてくれる。事後報告で驚く時もあるけれど、やっぱりありがたい。お陰で僕と両親の距離もグーッと縮まりました。
LiLiCo
だってもう、彼の親は私の親でもありますからね。私たちが結婚したことで、ご両親も会話が増えて仲良くなっているみたい。彼もスウェーデン語を覚えてわたしの親とコミュニケーションをとってくれたらうれしいけれど、この5年で覚えた言葉は〝 ヘイ ヘイ!(こんにちは)〟だけなので、まったく期待できません(笑)。
小田井
ごめん……。
LiLiCo
でもこの前、彼がものすごく疲れている時に、急遽家にわたしの友人を呼んじゃったことがあったんです。どうしてもお礼したい相手だったから。小田井は翌朝も早かったから、挨拶だけでも全然OKだったのに、疲れを見せずに、帰るまで笑顔で一緒にテーブルを囲んでくれたんですよね。泣きそうになりました。
小田井
僕も人間だから、一瞬はイラッとするんです。でも一旦重い腰を上げたら、あとは誰よりも自分が楽しんでいる(笑)。
LiLiCo
わたしの友人に対して、そうやってオープンマインドかつ自然体で接してくれるのは、本当にありがたいです。家族や友人など、お互いがお互いの大切な人にどう接しているかというところでも、きっと私たちはイーブンなんだと思います。
「相手の好きなことや楽しいと思っていることにとりあえず一緒に乗っかってみることは大事」
小田井涼平さん
1971年生まれ、大阪府出身。モデル、俳優として活躍後、2007年より歌謡グループ「純烈」に加入(年内で卒業予定)。初のソロアルバム『息子がお世話になりました。』が好評発売中。
オープンマインドな パートナーシップのポイント
- 目を見て対面で話すことを大事にする
- お互いの家族・友人も大切にする
- 格好悪いところほどきちんと見せ合う
撮影=竹内裕二〈BALLPARK〉取材・文=土谷沙織 ※GLOW2022年12月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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