【藤原ヒロシ10月の1枚】出会いは1982年。友人から「気持ちよく眠れるよ」と手渡されたカセットテープ。『Renascent』The Durutti Column
執筆者:GLOW編集部

藤原ヒロシさんがGLOW読者に向けてとっておきの音楽を紹介する大人気連載。10月に選んだのは、一部の人たちから「センスを測るリトマス試験紙」とも称される伝説的バンド、ザ・ドゥルッティ・コラムの新作『Renascent』です。近年は有名アーティストにサンプリングされるなど再評価の波が来ている彼らですが、本作はまさに原点回帰。初めてロンドンへ向かう機内で聴いたという貴重なエピソードとともに、その色褪せない魅力を語っていただきました。
目次
藤原ヒロシがセレクト。10月のとっておきの一枚は、『Renascent』The Durutti Column

2010年の『A Paean to Wilson』以来となるニューアルバム。「Renascent=復活」のタイトルどおり、原点回帰ともいえる、ミニマルでロマンティック、かつアンビエントの要素を凝縮したギターインストゥルメンタルを収録。
一部の人たちからはセンスを測る「リトマス試験紙」のような存在とも
ザ・ドゥルッティ・コラムは、イギリス・マンチェスター出身のヴィニ・ライリーによるポストパンクバンド。エコーがかった淡いギターインストゥルメンタルで、80年代から愛され続けています。
このアルバムは今年7月、16年ぶりにリリースされた新作です。近年はブラッド・オレンジが曲をサンプリングするなど再評価の声が高まっていたようですが、本作はまさに往年の質感を感じさせる叙情的なサウンド。ずっと聴いてきたリスナーなら、嬉しくなってしまう仕上がりです。僕がザ・ドゥルッティ・コラムを知ったのは、1982年に初めてロンドンへ向かう飛行機の中でした。友人の中西俊夫さんから「気持ちよく眠れるよ」とカセットテープを手渡され再生した瞬間、そのギターの音色に引き込まれました。
どの楽曲もニューウェイブ特有の薄暗さや重たいムード。だけど、その底に圧倒的な美しさがある。またアンビエント的なサウンドながら、ピアノやシンセではなく、ギターを鳴らしているのも新鮮でした。メジャーシーンとは一線を画しながらも、一部の人たちからはセンスを測る「リトマス試験紙」のような存在ともいわれたザ・ドゥルッティ・コラム。新作を聴きながら、あの頃の特別な空気感を久しぶりに思い出しています。
この記事を書いた人
GoogleでGLOW Onlineをフォロー!
GoogleでGLOW Onlineをフォロー!














