【美白・UVケア】SPFって何? 飲む日焼け止めってどうなの? 美白&UVの基礎知識をおさらい!
執筆者:夏目 円
日焼け止めや美白コスメの、紫外線数値や正しい使い方、気になる飲む日焼け止めについてなど、美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック 中目黒」総院長の髙瀬聡子先生に教えていただきました!
Q1. 日焼け止めの効果を表す「SPF」「PA」の違いがわかりません
A.「SPF」は肌のシミや炎症の原因となるUVBを、
「PA」はシワやたるみの原因となるUVAを防ぐ指標
「このふたつは、紫外線防止効果を示す指標です。SPFとは、短時間で肌に赤みや炎症を起こさせ、黒化につながりやすくなるUVBを防ぐ効果の指数のこと。数値が大きい方がUVB波を防ぐ効果が高くなります。1~50+の数値は、何も塗らない場合に比べて、UVB波による炎症をどれくらい長時間防止できるかを示しています。PAとは、一時的な黒化を引き起こし、長い時間をかけて肌の弾力を失わせるUVAを防ぐ効果を表す目安。+~++++で表示され、+の数が増えるにつれて防ぐ効果が高くなります」(髙瀬先生)
Q2. SPF・PAの値はどのくらいを目安にすればいい?
A. 屋外で過ごす時間が長いなら数値を高く、
部屋で過ごす日ならSPF30・PA++程度
「屋外で過ごす時間の長いキャンプやスポーツなどのアウトドアを楽しむ時は、SPF50+・PA++++の高いUVカット効果がある日焼け止めを選びましょう。また、紫外線は窓ガラスを通して容易に室内に入り込んできますから(生活紫外線)、日中部屋で過ごす日であってもSPF30・PA++程度の日焼け止めを選びます。日焼け止めは2時間おきに塗り直しましょう」(髙瀬先生)
Q3. 日焼け止め効果があるものを重ねて使ったら、その分紫外線防止効果は高まる?
A. 重ねることでにはなく、こまめな塗り直しが大切。
数値にかかわらず2時間ごとを目安
「日焼け止めを重ねて塗ったからといって、紫外線を防ぐ効果が足し算になるわけではありません。効果を持続させるポイントは、重ねることではなく、こまめに塗り直すことです。SPF・PAの数値にかかわらず、できれば2時間ごとに塗り直しましょう。特に屋外で過ごすなどして汗をかいた場合は、日焼け止めが落ちやすくなるので必ず塗り直しを」(髙瀬先生)
Q4. 最近目にする「スマッジプルーフ」「フリクションプルーフ」の日焼け止めって?
A. “油分への耐性”、“摩擦への耐性”という特徴の違い
「スマッジプルーフとは、油分への耐性に優れていること。日焼け止めの他に、アイライナーやマスカラなどでもよく表示されています。フリクションプルーフとは、こすれなどの摩擦を受けても落ちにくい機能のことで、ここ数年で表示している製品が増えました」(髙瀬先生)
Q5.「医薬部外品」の方が、くすみやシミへの効果が高い?
A. 美白有効成分をどのように
組み合わせているかで効果に差がある
「医薬部外品と表記できる美白化粧品は、国が認めた美白有効成分を含み、美白効果がうたえるものです。成分としてはコウジ酸やアルブチン、ビタミンC誘導体など。ただし効果については成分の配合率や他の美容成分とどのように組み合わせているのかにもよるので、一概にどれが効果が高いとは言い切れません」(髙瀬先生)
Q6. ここ数年増えた「飲む日焼け止め」を飲めば、日焼け止めは塗らなくても大丈夫?
A. メラニン生成は抑制するけれど、日焼け止めは必須!
「抗酸化成分を主成分にしたサプリメントが多く、紫外線を浴びたことにより発生した活性酸素や体内に発生したフリーラジカルを除去することで、シミの原因となるメラニン生成を抑制する効果があります。ただし、飲めば日焼けしないというわけではないので、日焼け止めは必須です」(髙瀬先生)
Q7. 美白ケアがしたいと思ったら、何から使うのがいい?
A. まずは効果を実感しやすい美白美容液から。
角質ケアもおすすめ
「美白製品を一度にラインで試すのはなかなか勇気がいるものです。そこでおすすめなのが、各メーカーがいちばん注力を注いでいる美白美容液から使ってみてはいかがですか? また、スクラブやピーリングなど角質ケアができる洗顔料や美容液をプラスすると、くすみが改善、ターンオーバーが整い、肌の明るさ、透明感が期待できます」(髙瀬先生)
【教えてくれたのは】
ウォブクリニック 中目黒
総院長 高瀬聡子先生
慈恵会医科大学卒業後、同大学付属病院皮膚科に入局。2003年にスキンケア化粧品「アンプルール」の研究開発に携わり、2007年に東京・中目黒にある美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック中目黒」を開院、総院長をつとめる。
取材・文=夏目 円 ※GLOW2023年5月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
この記事を書いた人
美容ライター。2023年4月よりメルボルンに移住、シティからトラムで20分、ビーチから徒歩10分という絶好のロケーションのアパートに娘と二人暮らし。50歳にして味わう初体験の数々に驚きと戸惑い、さらに興奮を隠せない日々が続くも、第二の人生をとことん楽しんでいる。母娘移住のきっかけ、日常のあれこれは毎週金曜日「note」にて更新中。