【健康になる食事法】抗酸化作用・老化抑制・抗がんに役立つ、野菜の「カロテノイド」を効率よく摂る方法2つ!
執筆者:GLOW編集部
健康なイメージの野菜は、食べた分すべての栄養素が体内に吸収できるわけではないんです。食べ合わせ、調理方法などで効率よく栄養を吸収する方法を管理栄養士の森 由香子さんにうかがいました。人気料理家冷水希未子さんのレシピも要チェックです!
☑野菜の「カロテノイド」が大人の健康に役立つ!
カロテノイドは野菜の黄色や赤の天然色素成分のこと。強い抗酸化作用を持ち、カラダを酸化ストレスから守るので、生活習慣病の予防に役立つと考えられている。他にも活性酸素発生防止・除去、抗がん作用、老化抑制、動脈硬化予防、皮膚や目の粘膜を守るなど、GLOW世代の健康や美容に欠かせない様ざまな生理機能が明らかに。積極的に摂取したい栄養素のひとつです! ニンジンやトマトなどの緑黄色野菜やマンゴー、パパイヤ、とうもろこし、海藻などにも多く含まれます。
☑カロテノイドを効率よく吸収しよう!
40代が積極的に摂りたい野菜の栄養素は、免疫力を高めるビタミン、整腸作用のある食物繊維、生活習慣病予防のカロテノイドなど。なかでも、カロテノイドの吸収率は生野菜の場合10%程度と少なめ。
「野菜の栄養素は細胞壁の中にあるので、生野菜の場合は特によく噛んで細胞壁を壊すことが大事です。カロテノイドは脂溶性なので、油で加熱調理することでさらに吸収率がアップすることもわかっていますが、油の摂りすぎには少し注意が必要。また最近の研究では、ヨーグルトと合わせて野菜を摂取することでカロテノイドの吸収率が格段に高まったという結果も出ています。食べ合わせを意識すれば、本当に体のためになる野菜の食べ方ができるはずです」(森さん)
☑カロテノイド吸収率UP法1 【ヨーグルトと一緒に食べる】
ヨーグルトの乳酸菌がカロテノイドの吸収率アップに貢献
新しい研究では、野菜に含まれるカロテノイドの吸収率をアップするには、乳酸菌が発酵時に作り出すEPS(菌体外多糖)を多く含んだヨーグルトと野菜を一緒に食べることが有効だとわかってきました。野菜のみを食べるよりも、野菜とヨーグルトを組み合わせて食べた方が血中のカロテノイド濃度が高まるという結果が出ています。食後のデザートとしてヨーグルトを食べることでも効果があります。ヨーグルトなら油の摂りすぎが気になる人も取り入れやすいですね。
[ヨーグルトドレッシングがけ野菜サラダ]
カロテノイドが吸収されにくいとされる生野菜でも、ヨーグルトをドレッシングに混ぜて調味料的に加えると食べやすい。写真は、縦に薄くスライスしたにんじんに、ヨーグルトと、EXVオリーブオイルとドレッシングをかけたサラダ。野菜スティックのマヨネーズディップにヨーグルトを加えるなどもおすすめ。
[野菜のヨーグルトスムージー]
野菜スムージーを習慣にしている方は、ヨーグルトを加えて味変にトライ。ヨーグルトのやさしい酸味でさわやかな味わいに仕上がるはず。写真は、にんじん、パプリカ、オレンジ、レモン汁、ヨーグルトをミキサーにかけて作ったスムージー。「飲みやすさの秘訣は、オレンジを加えることです。氷を入れて飲むと、さらにさっぱり美味しくいただけます」(冷水さん)
☑カロテノイド吸収率UP法2【植物油で調理】
脂溶性のカロテノイドは植物油となじんで◎
油に溶ける性質を持つカロテノイドは、揚げる、炒めるなどの加熱調理をすることで、生野菜で食べるのに比べて吸収率が50%もアップ。「生野菜と油を一緒に摂取することでも吸収率は上がります。いちばんのおすすめは、油自体にβ-カロテンが含まれているオリーブオイル。トマトのカプレーゼにオリーブオイルを垂らすなど、緑黄色野菜と一緒なら二重に摂取でき、淡色野菜(キャベツ、白菜、きゅうりなど)に足してもβ-カロテンを補えます」(森さん)
[栄養効果が上がるおすすめ植物性オイル]
撮影=清水奈緒 レシピ作成・料理=冷水希三子 取材・文=土谷沙織※GLOW2023年6月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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