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【更年期の不調ケア】「こむら返り」の原因と予防。突然足がつるのを解消するには?

婦人科系の不調を解決! 今回は“こむら返り”。いきなりやって来て慌てさせる筋肉のけいれんですが、40代以降、更年期の女性はなりやすいんです。原因と対策をチェック!

☑全身の至るところで起きる“こむら返り”

ふくらはぎが“持続的な痙攣”を起こして痛むのがこむら返り。こむら、ふくらはぎ、足の裏、太もも、足の指、指の股など全身の至るところで起きます。
原因としては筋肉疲労、水分不足、ミネラル不足などといわれることが多いのですが、もっと言及するならマグネシウム不足がベースにあると考えられます。一般的な健康な人のこむら返りはマグネシウム不足がまず疑われます。

☑30~49歳はマグネシウムが不足しがち

マグネシウムは体内で600種類以上の酵素を活性化させるミネラルで、骨と歯の構成成分でもあります。血管内では血管を拡張させ、血管を収縮させるカルシウムとセットになって働きます。神経・筋肉の興奮の伝達にも関わっているので、マグネシウムが不足すると血管のけいれんやこむら返りが起きやすくなります。

40代以降は女性ホルモン低下の影響や加齢に伴い筋肉量が減少します。筋肉は毛細血管が豊富で、筋肉量が十分ならミネラルがしっかりと体の抹消まで行き渡ります。足の冷えも血流が悪い状態なのでミネラルが届きにくくなります。それ以前に、多くの日本人がマグネシウム不足に陥っています。30~49歳の女性の1日のマグネシウム推奨摂取量は290mgですが、200mg度なのが実情。マグネシウム不足は筋肉の過収縮を防ぐ働きをする腱紡錘というセンサーの機能が低下し、筋肉の過上収縮を起こすこともわかってきています。

☑予防策は?

予こむら返りが起きたら、縮んだ筋肉を伸ばす、もみほぐす、熱中症対策飲料でマグネシウムを数十mg摂ると治まると思います。
予防は食事でマグネシウムを摂ることが大切。マグネシウム・カルシウム・カリウムが含まれているバナナに自然塩をつけるとミネラルバランスのよい朝食に。マグネシウムが豊富な玄米や雑穀を加えたごはん、オートミールなどもいいですね。

他に、日本の伝統的な食べものはマグネシウムを多く含んでいます。そば、バナナ、海苔、ひじき、豆、五穀、豆腐、抹茶、胡麻、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いちじく、昆布、牡蠣、芋、納豆、とうもろこし、クルミ(ナッツ類)。食事で補いつつ、足りない分はサプリで。
マグネシウムは飲酒した際にアルコールを分解するのにつかわれ、また尿から排泄されてしまうので注意。


【教えてくれたのは】

東京慈恵会医科大学
客員教授 横田邦信先生

Dr.マグネシウムと呼ばれている。生活習慣の発症にマグネシウム不足が関係するという観点から、Mgを長年研究している。Mgの情報社会啓発サイト「MAG21研究会」を共同設立。日本糖尿病学会功労学術評議員。

MAG21

イラスト=MAIKO SEMBOKUYA 取材・文=黒川ともこ ※GLOW2021年8月号より

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