【デザイナーの素敵な暮らし】住まいもジュエリーもそぎ落として長く使えるように。MAYU岡松真由さんのお家拝見!
執筆者:GLOW編集部
感度の高いジュエリーを生み出す、GLOW世代のデザイナーのインテリアを拝見! 今回はMAYUの岡松さん。美しいジュエリーも紹介。
【MAYU/mayuokamatsuデザイナー 岡松真由さん】
[自宅の横にアトリエを構える]
自宅の横にあるアトリエの作業場。ヴィンテージのデスクは父から譲り受けたもの。椅子はアーロンチェア。奥の棚には写真集をはじめ、マルタンマルジェラのスノードームやヴィンテージのメトロノームなど美しいデザインをレイアウトしている。
[MAYUのジュエリー]
幼少期からお母様が持っていたジュエリーに触れ、譲り受けてきたことがジュエリーに興味を持ったきっかけ。
「高校を卒業した時に母から誕生石のピアスをもらいました。他にもバッグやインテリア、器なども母から譲り受けたものがたくさんあります。長く愛せるものを大切にするという精神は母から受け継いだもので、私のジュエリー制作や住居にも影響を与えています」
現在は、自宅の横にアトリエを構えている岡松さん。住居とジュエリーデザインが共鳴する部分とは「削ぎ落としていく」作業なのだとか。
「以前、ジュエリー会社に勤めていた頃は美大で学んでいたファインアートと通じる部分があって『盛っていく』デザインだったんです。ただ自分が身につけるものや作りたいものは、削ぎ落とされたデザインのもの。線一本で描かれたシンプルで美しさと機能が両立しているものに惹かれます。例えば、ジュエリーでも一般的なモチーフとしてハートがありますが、それに対して何かを足すのではなく記号としての存在を大切に凹ませてみたりなど、自分らしくシンプルにデザインすることにこだわっています。そういった削ぎ落とされたデザインが、長く様ざまな方の人生に寄り添うものになってくれたらと思いを込めています」
[左上]2023年7月からスタートした「an-other」ライン。生産過程でついた傷やくすみなどで表舞台に立てない商品をオンラインで販売中。[右下]左から:天然石をあしらったリング各5万9400円、パールピアス1万4300円、淡水パールとK10で仕立てたパールリベッツピアス2万7500円(すべてMAYU)
【夫婦で暮らす自宅はシンプルで機能的】
夫婦でくつろぐリビング部分。手前にはコルビジェのLC2のファブリックタイプ。奥にはバタフライチェアの愛称で知られるBKFチェア。壁は1面をグレーにすることでメリハリを。ベッドルームで使用しているのは母から譲り受けたチェスト。チェストの上にはディプティックやドットール ヴェラニエスなどの香りをレイアウト。寝室を照らすペンダントライトはトムディクソン。ダークトーンの壁に映える照明は左右で非対称なデザインを選ぶことで動きをプラス。ダイニングは、キッチンとテーブルを無機質なモルタル素材で連なるデザインに。料理や器が映える工夫を取り入れている。キッチン横にあるパントリーには、作家さんの作品を中心に岡松さんがお母様から譲り受けたものを日常使いして楽しむ。
☑岡松真由さん
ふだんつけているジュエリーはシルバーとゴールドをミックス。時計はジャガー・ルクルト レベルソ。「結婚指輪はマルコムベッツでプラチナとイエローゴールドのハーフ。当時は、ゴールドは似合わないかなと思いつつも憧れていたので、気分によってどちらでも使えるデザインにしました」
PROFILE
東京生まれ、多摩美術大学卒業。2006年秋冬シーズンより自身のブランドをスタート。2020年秋冬よりハイエンドなジュエリーブランド
「mayuokamatsu」をスタート。ジェンダーレスやタイムレスをキーワードに性別や年齢に関わらず楽しめるジュエリーを提案。
撮影=柳原久子 取材・文=佐藤玲美 ※GLOW2023年10月号より
この記事を書いた人