土着信仰、母の愛…台湾ホラー史上最も怖いと話題 Netflix『呪詛』【伊藤さとりのシネマでぷる肌!!】
執筆者:伊藤さとり
映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。毎週水曜日更新なので、水曜日や週末の予定に加えてみてください!
眠れなくなるほど恐ろしい…。
実話をもとにした体験型ホラー『呪詛』
Netflixで7/8に配信スタートしてSNSであっという間に話題となった『呪咀』。
本作は台湾で2022年公開の映画興行収入No.1を樹立、更には台北映画祭で7部門ノミネート、最優秀美術設計賞、助演男優賞(ガオ・インシュアン)を受賞した筋金入りのホラーであります。しかもこのヒットを受けて監督のケヴィン・コーは、続編の準備に取り掛かっているとのこと。では巷で噂の『呪咀』がどれだけ恐ろしいかチラリと解説しましょう。
まず冒頭しばらくして、主人公リー・ルオナンという女性の顔が映り、私達に語りかけてきます。内容は“娘の呪い”を解く為に観客である私達に呪文を覚えて欲しいと言うのです。そう、この映画はズバリ、体験型ホラーなのですよ!まさに観客を巻き込んでいく構成により、私達はやがて彼女が6年前にカルト教団で禁忌を侵したと知るのです…。
1999年に公開され、世界的大ヒットとなった『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のような自撮りによる手法はホラー映画の定番になりつつありますが、本作はそこに怪奇現象、鬼子母神を彷彿させる神?!更に祈祷というオカルト要素がてんこ盛り。しかも全身に呪文のような文字を書き祈る姿は、まるで「耳なし芳一」のよう。そして何より恐ろしいのはこの物語は実話をベースに作られているということ!そんな見ている私達も呪われそうな恐怖を味わう『呪咀』。もし見るなら気になる人と一緒にゾクゾク体験をドキドキ体験へと変化させ、フェロモン分泌で“ぷる肌”をGETしては?
『呪詛』
【あらすじ】主人公の女性、リー・ルオナンは、6年前にとある村でタブーを犯し、いくつもの厄災に見舞われ、呪いが自身の娘に降りかかったとカメラ越しに視聴者に訴える。過去、土着の宗教を祀る村で何があったのか。「祈り」「まじない」と視聴者に思わせ、つい口ずさんでしまう呪文が実は……というラストまで、実に巧みに欺かれる。ドキュメンタリー方式で過去はハンディカム、現在はスマホ撮影のものも交えた映像がリアル。
2022年/台湾/111分
監督:ケヴィン・コー 出演:ツァイ・ガンユエン、ホアン・シンティン、ガオ・インシュアンほか
Netflix映画『呪詛』独占配信中
この記事を書いた人
邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。
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