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【更年期】40代前半で生理が止まる……少し早めの閉経の対策【婦人科医と考えるポジティブな乗り超え方】

執筆者:夏目 円

最近身のまわりで、45歳以下だけど閉経したみたい、という話を聞きます。平均年齢は50~51歳といわれていて、40代前半だとまだ漠然としかイメージしていない人も多いはず。40代はちょっと早くない?、準備も出来ていない、という早期閉経について、太田郁子ウィメンズクリニックの太田先生に伺いました!


☑早期閉経の主な原因は2つ

夏目 今回のテーマは、43歳で閉経してしまったことでショックを隠せない方からのご相談です。

太田先生 それは、早発閉経という疾患です。45歳以下で閉経してしまうことで、なかには20代で閉経することもあります。主に原因は二つあって、ひとつは大人になっておたふくになって卵巣炎を発症した場合。もうひとつは、原始卵胞の寿命も考えられます。

夏目 原始卵胞って何ですか?

太田先生 わかりやすく言うと、冷蔵庫にある卵と一緒です。卵って冷蔵庫にずっと入れていても消費期限を過ぎれば食べられらなくなります。原始卵胞も生まれつき寿命があって、それは遺伝子が決めているから伸ばすことができません。

夏目 なるほど。疾患とは言え、更年期を早く迎えると思うとショックになる気持ちもわかります。

太田先生 誰しもが更年期を迎えます。それが人よりも少し早く来たんだって思えばいいことですよ。

不調は更年期のせい、だけではない!

夏目 でも、早く閉経するといわゆる更年期症状が起こりやすいとか?

太田先生 勘違いする人が多いのですが、それとコレとはまったく別の問題。更年期だからといって、みんなが更年期症状になるわけではありません。私のクリニックにも頭が痛いとか、めまいがするとか、ふらつくなどの症状で“先生、私、更年期症状です!”って決めてかかる人がいますが、その半数以上は更年期症状ではないんです

夏目 えっ、そうなんですか⁈

太田先生 そうです、40代~50代は“健康のまがり目”。なんでも、更年期症状で片付けないで。これは実際にあった話ですが、頭が痛いという患者さんに、「婦人科ではなくて、脳外科に行きなさい」とアドバイスしたら、ある病気が見つかったんです。同様にめまいや息切れ、動悸も更年期症状ではなくて、高血圧の可能性だって十分にありますから。

夏目 確かにそうですね。私も以前、すごく胃の不快感と吐き気がして“もしかしたら、更年期症状?”と疑い病院行ったら胃腸炎でした……。

太田先生 そうなんです。私は、43歳で閉経したからといってショックを受ける必要はないと思いますよ。閉経によって自分の体がどう変化するのかちゃんと向き合って、これから長い人生に何をすればいいのか考えればいいだけのことです。まずは、女性ホルモン(エストロゲン)の量が減るわけですから、それを足せばいいんです。

☑ホルモン補充療法でケア

ホルモン補充療法 HRT

HRT=ホルモン補充療法は飲み薬、塗り薬、パッチなどがある。更年期障害の治療が目的なら、診療にも薬代にも健康保険が適用される。

夏目 女性ホルモンを足すというと、ホルモン補充療法ということですか?

太田先生 そうです。補充する前にしっかり検査をして、自分に必要なものを必要な量だけ補充します。そうすれば、将来起こりえる骨粗しょう症や認知症、動脈硬化の予防にもつながりますから。

夏目 先生と話していると、閉経が前向きに考えられるようになりますね。

太田先生 そうそう、「嬉しい、自分の健康を見直すいいチャンス」って思ってほしい。他の人より4、5年早く閉経しただけのことで、メンテナンスすればいいんです。

夏目 ですね、閉経をひとつのきっかけとして捉えることができれば、これからの体調はもちろん、生き方だって変えられるかも知れません。

太田先生 いいですね、その調子。まさにウェルビーイングな考え方! まだまだ人生はこれからですから、楽しく年を重ねていきましょう。


【教えてくれたのは】

太田郁子ウィメンズクリニック  太田郁子先生

太田郁子ウィメンズクリニック 太田郁子院長

すべての女性の女性としての特徴を小児から閉経後まで長くサポートする医療『女性医療』の専門クリニックとして設立。病気になったら治療するという従来の考え方ではなく、できるだけ将来のリスクをあらかじめ減らして、毎日を快適過ごす=ウェルビーイングな考えに基づいた医療を行う。持ち前の明るさと歯切れのいいアドバイスで、患者からの信頼もあつい。住所:岡山県倉敷市松島1152-19 ☎086-454-5061

太田郁子ウィメンズクリニック

この記事を書いた人

美容ライター。2023年4月よりメルボルンに移住、シティからトラムで20分、ビーチから徒歩10分という絶好のロケーションのアパートに娘と二人暮らし。50歳にして味わう初体験の数々に驚きと戸惑い、さらに興奮を隠せない日々が続くも、第二の人生をとことん楽しんでいる。母娘移住のきっかけ、日常のあれこれは毎週金曜日「note」にて更新中。

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