• Culture

GLOWの
記事をシェア

のんさんのさかなクン役がハマってる! 映画『さかなのこ』【伊藤さとりのシネマでぷる肌】

執筆者:伊藤さとり

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。毎週水曜日更新なので、水曜日や週末の予定に加えてみてください!


伊藤さとりさんの2022年ベスト1、
早くも『さかなのこ』に決定!

今年の個人的邦画ベスト1、2を競う感涙映画がついに公開ですよ!

特に子を持つお母さんは、井川遥さん演じるミー坊のお母さんが成績を心配する先生に向かって言う「成績がいい子もいれば、悪い子もいて、それでいいじゃないですか。この子はお魚が好きで、お魚の絵を描いて、それでいいんです」というセリフに涙を流すはず! そんな個性を伸ばすことの大切さを綴る人間愛に満ちた映画が『さかなのこ』です。

原作は魚スペシャリストとして知られる「さかなクン」の自伝的エッセイ。これを映画化したのは『南極料理人』の沖田修一監督なんですが、主人公ミー坊を男優にせずに、のんにした時点でこの物語が様々なメッセージを持つことになりました。監督いわく、「さかなクンを演じられるのはのんさんしかいない」という確信からなのですが、彼女が学ラン姿でお魚に目を輝かせる姿を目にした瞬間、「あぁ、男がスカートを履いたっていいし、女が学ラン着たっていいのよ。好きな格好をすればいいのよ」と気付かされるんだから。

でも、お魚にしか興味を示さない、しかもお魚を見ていたら時を忘れるミー坊がどうやって「お魚のスペシャリスト」になれたのでしょう? よくよく考えてみるとこれって学歴でもないし、経験でもなくて、「なんでこんな生態なんだ?」という探究心なんですよね。あとは愛すべき人柄。今でもさかなクンの親友というヒヨ(映画では柳楽優弥)とミー坊のシーンは、もう涙なしでは語れないほど。他にもミー坊を支える総長(磯村勇斗)、モモコ(夏帆)、籾山(岡山天音)とかいい味出してます。とにかく良い人しか出てこない純度の高い“プル肌”映画『さかなのこ』、太鼓判を押します!

『さかなのこ』

【あらすじ】
お魚が大好きな小学生・ミー坊は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、信じて応援し続ける母親に背中を押されながらミー坊はのびのびと大きくなった。高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、まるで何かの主人公のようにいつの間にかみんなの中心にいたが、卒業後は、お魚の仕事をしたくてもなかなかうまくいかず悩んでいた……。そんな時もお魚への「好き」を貫き続けるミー坊は、たくさんの出会いと優しさに導かれ、ミー坊だけの道へ飛び込んでゆくーー。

TOHOシネマズ日比谷 ほかにて全国ロードショー
2022/日本/139分
原作:さかなクン「さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜」(講談社刊)
監督・脚本:沖田修一 脚本:前田司郎
出演:のん 柳楽優弥 夏帆 磯村勇斗 岡山天音 さかなクン 三宅弘城 井川 遥
配給:東京テアトル
Ⓒ2022「さかなのこ」製作委員会

映画『さかなのこ』公式サイト

この記事を書いた人

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー 伊藤さとり

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

執筆記事一覧を見る

邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

記事一覧へ戻る

GLOWの記事をシェア!