【映画】年の差恋愛事件、当事者×演じる女優の物語『メイ・ディセンバー ゆれる真実』 7/12公開【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】
執筆者:伊藤さとり
☑7月12日(金)
TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
【あらすじ】女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)が次回作の役作りのため、ジョージア州サバンナにやってくる。新作で彼女が演じるのは、かつて世の中を賑わせた メイ・ディセンバー事件の当事者役だ。
当時36 歳の女性グレイシーがアルバイト先のペットショップで知り合った13歳の少年と情事におよび実刑になる事件があった。グレイシーは獄中で相手の少年ジョーの子(長女)を出産。出所後ふたりは結婚し、双子の兄妹にも恵まれ、周囲の人々に愛されながら平穏な日々を送っている。
グレイシー(ジュリアン・ムーア)とジョー(チャールズ・メルトン)の家を訪れたエリザベスは、ふたりとすぐに打ち解けようとする。しかし、エリザベスはグレイシーの心の奥底に潜む、後悔や後ろめたさといった“隠れた芽”を探し出そうと、過去の雑誌や資料を集め、人物像に想いを馳せ、考察を繰り返す。調査し、空想し、時には鏡に向かって演じてみるエリザベス。
その後も彼女はグレイシーと行動を共にし、あらゆることを質問する。さらにエリザベスは、情事が起きたペットショップをはじめ、グレイシーのかつての夫、事件を機に離れて暮らす前夫との子どもたちのもとを訪れ、その行動はいつしか“演技のための取材”の範囲を超えて広がっていく。
そして、かつての少年、現在は事件当時のグレイシーと同じ36歳になったジョーは、エリザベスの出現を機に自身の“これまで”と“現在”に想いを馳せるようになる。あの時の判断は正しかったのか? 若さゆえの行動だったのか?
そして事件以来、世間から注目を浴び続けてきた彼はこの先の人生をどう生きるのか?
少しずつ浮かび上がってくる真実と、それぞれの人物が秘めていた感情。それらは複雑に絡み合い、彼らの中にある“歪み”はやがてエリザベスをも変えていく。
2023/アメリカ/117分/R15+
監督:トッド・ヘインズ(『キャロル』) 脚本:サミー・バーチ
原案:サミー・バーチ、アレックス・メヒャニク
出演:ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーア、チャールズ・メルトン
字幕翻訳:松浦美奈
原題:MAY DECEMBER
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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この記事を書いた人
邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。
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