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『沈黙のパレード』福山雅治&柴咲コウ スペシャル対談! ガリレオ・チームは“我が家”

あの「ガリレオ」シリーズが帰ってきた!と話題沸騰の映画『沈黙のパレード』。
9年ぶりにタッグを組んだ福山雅治さんと柴咲コウさんに、映画撮影時の裏話、この映画への想いをお聞きしました。おふたりが表紙のGLOW11月号の発売に先駆けウェブサイトオリジナルのインタビューをご覧ください!

1. ガリレオのメインキャスト3人はみんな独身⁉ 仕事人間ばっかり!

――9年ぶりに「ガリレオ」シリーズの新作『沈黙のパレード』が公開されました。福山さん演じる天才物理学者の湯川学と、柴咲さん演じる警視庁捜査一課の刑事、内海薫とのパートナーシップについて、おふたりはどんな印象を持っていますか?

福山 湯川さんという人は、変人と言われてはいますが友情を大切にしてる人ですよね。親友である草薙(北村一輝)から頼まれて、かつ、自分が興味がある案件に関わるうちに、草薙の後輩である内海薫のことも徐々に信頼するようになってゆく。今回、『沈黙のパレード』を撮影する前に第一シリーズから全部観返したんですけど、最初、湯川さんは薫に怒られていたんですよ。「人が死んでるのに、なにが面白いの!」って。そういう真っ当なことを言う薫のことが、湯川さんはまぁ、割と気に入ったんでしょうね。人間として信頼できる人だなと。そこから、今に続く関係性が始まった。それぞれ独立した自分の人生を歩みながらも、足りない部分をいいバランスで補い合っている間柄じゃないでしょうか。

柴咲 互いに迎合しない姿勢を保ちながら、絶妙な距離感でやりとりしているんですよね。湯川先生は、准教授から教授になり、まわりが自然とついてくるくらいな人になっていると思うんですけど、薫からしたら「だから?」といった感じで。なんなら、教授のくせに、とまで言ってますから(笑)。

福山 そもそも、薫のほうも私生活はまったく見えないですよね。スペシャルドラマの時に、ちらっと薫の生活感が描かれてたくらいで。果たして今、恋人がいるのかいないのかとか、プライベートな部分がまったくわからない。そういうところを想像するのも楽しいなと。草薙も結婚していないんですよね。みんな仕事中心の人生(笑)。

柴咲 そういう人生なんです(笑)。

――久しぶりということで、最初は少し緊張感みたいなものがありましたか?

柴咲 初日は多少あったと思います。芝居の部分の思い出しをしながら、役柄としても年月が経っている分、そこを埋めていく必要があったので。福山さん自身に関しては、この作品以外でもたくさん目にしてきましたから、久しぶりというのは、正直、あまりなかったです。 ただ、教授になった湯川先生としての厚み、すごみはありました。だから、そのあたりの緊張はあったかもしれない。ファミレスで話すシーンでの、ちょっとくだけた瞬間っていうのは、映画を観られる方も、薫にしても、ホッとするような空気感なんじゃないかな。相変わらず、「なんだ、コイツは!?」みたいな部分もありつつ(笑)。

福山 役柄上、薫は湯川に対して、それなりに気遣っているところはあると思います。お願いする立場での礼儀は持ちつつ、言いたいことも、文句も言う。そこが薫の可愛さだと(笑)。役柄ではなく、柴咲コウ、北村一輝、福山雅治としてだと、それぞれすごく気遣いをするタイプですから。自分で言うのも何ですが、現場を散らかす人たちじゃないんですよ。現場散らかす人って何? って気になる方も出てきそうですが(笑)。でもこの3人はそうじゃなく、バランスを重視する。かつ作品至上主義、監督至上主義と言うか。

柴咲 福山さんは角を立てないように、まわりに気を遣いながら提案する一方で、私は「やだ!」 なんてストレートに言ってしまうこともあります。「そっちじゃない!」みたいに抵抗してみたり(笑)。それは個人のワガママじゃなくて、作品をよくしたいから。そこはしっかり合致しているので、久しぶりでもブレずに、仲違いせずに、まとまっていけてるのかなと思います。

福山 自分のパフォーマンス至上主義というのが作品にとってプラスになる時もあるんですけど、我が家はそうじゃないよっていうね(笑)。

柴咲 その“我が家”って、すごいしっくりきますね(笑)。

福山 ハッハッハ!

柴咲  福山さんは、監督が求めているものを抽出しようとしてらっしゃるなという印象です。

福山   尊敬できるし、好きだなと思う監督だからこそというのはあります。ちょっと贅沢な仕事の選び方かもしれないんですけど。

2. 見どころのパレードシーンはなんと1年がかりで撮影

――細部までとても丁寧に緻密につくられた作品ですが、祭やパレードのシーンは、かなり大掛かりな撮影だったのでは?

福山 パレードのシーンは、コロナ禍で延期もあり、撮り終えるまでに結局1年かかりました。本当は、去年の夏に終わっている予定だったんです。それが今年の初夏くらいまでかかってしまった。

柴咲 そんなに延びても、湯川先生としてちゃんと繋がっているんですから、すごいですよ。その間に歌もやりながら。

福山 ありがとうございます(笑)。

柴咲 私だったら、1年越しに同じ役をやれと言われたら……困惑しますね。

福山 湯川さんは感情表現するキャラクターではないですからね。意外と演じやすいんですよ。

柴咲 またまた(笑)。

福山 撮影前や撮影が空いた時にガリレオ作品をすべて観ながら思ったんですが、薫には最初からずっと変わらない芯がある。人に対しての誠実さ、誠実であろうとする姿勢が、ときに攻撃的になったりする場合もあれば、包み込むような場合もあって。それがなんか、柴咲さん本人を感じさせる部分でもあるんですよね。どの作品でも、たとえば『おんな城主 直虎』にしても、柴咲コウなる人間の生き様、矜持というものがある。それが音楽、お芝居、ライフスタイルにおいても、その一つ一つがご本人の魅力を形成している。ちょっとプロデューサー目線になりますが、僕は勝手ながら、その心の在りようが音楽でも出せればいいなと思っていました。

柴咲 福山さんについては、シリーズ化している人気作品での主演として、また久しぶりにやる上での苦労やプレッシャーというのは、その方にしかわからないものだと思うんです。トップに立っている人と、2番手3番手で出る人とでは、心持ちは全然違う。それを全く表に出さずに、現場でもピリピリした感じは一切なく、つねに柔和に大人の対処法で、しっかりとした社会性で進めていかれるっていうのは……素晴らしすぎますよ。私だったら無理です(笑)。

福山 恐縮です(笑)。そうは見えないかもしれないですけど、僕もいつも必死です。いろんな現場で毎回ジタバタしながら生きてます。読者の皆様も、日々それぞれのご苦労があると思います。つかの間の気分転換に、我々のこの作品で日常とは違う世界を体験していただけたら。

柴咲 長くかかりましたけど、ついに公開ですね。

福山 はい。楽しんでいただければ幸いです。

福山さん:ニット13万6400円(メゾン マルジェラ/マルジェラ ジャパン クライアントサービス) シャツ(スタイリスト私物)
柴咲さん:シャツ10万1200円、ニット10万8900円、パンツ14万5200円(すべてMARNI/マルニ ジャパン クライアントサービス) リング〈右手〉10万2300円、リング〈左手人さし指〉4万8400円(ともにプライマル) リング〈左手中指〉18万9200円(oeau/Harumi Showroom)

3. 今すぐ劇場へ! 映画『沈黙のパレード』公開情報

©2022 フジテレビジョン、アミューズ、文藝春秋、FNS27社

『沈黙のパレード』

【あらすじ】天才的な頭脳を持つ物理学者・湯川学(福山雅治)のもとを訪れた、警視庁捜査一課の内海薫(柴咲コウ)。数年前から行方不明になっていた女子学生が遺体となって発見されたが、その容疑者とされるのは、湯川の親友である先輩の刑事・草薙俊平(北村一輝)がかつて担当した事件で、完全黙秘を貫き無罪となった男、蓮沼貫一(村上淳)だった。蓮沼はまたもや完全黙秘を遂行し、証拠不十分で釈放される。蓮沼が女子学生の故郷に現れたことで街は不穏な空気に包まれ、なんと彼は夏祭りのパレード当日に殺されてしまう。登場人物全員の<沈黙>に隠された謎を解くべく、湯川と内海が動き始めるーー。

原作:東野圭吾 監督:西谷弘 脚本:福田靖 出演:福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、飯尾和樹、戸田菜穂、田口浩正、酒向芳、岡山天音、川床明日香、出口夏季、村上淳、吉田羊、檀れい、椎名桔平ほか

2022年/日本/130

全国東宝系にて公開中

https://galileo-movie3.jp

 


撮影=YUJI TAKEUCHI〈BALLPARK〉 スタイリング=二村 毅〈hannah〉(福山さん)、柴田 圭〈tsujimanagement〉(柴咲さん) ヘア&メイク=新宮俊彦〈VRAI〉(福山さん)、SAKURA〈まきうらオフィス〉(柴咲さん) 取材・文=根岸聖子

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