【綾瀬はるかインタビュー】約1年ぶりの映画『ルート29』「今までの経験を手放し、新しい自分に出会えた」
執筆者:GLOW編集部
綾瀬はるかさんの主演最新作『ルート29』が11月8日(金)に公開! 詩人・中尾太一さんの『ルート29、解放』に着想を得て、『こちらあみ子』の森井勇佑監督がメガホンをとったロードムービー。姫路と鳥取を結ぶ国道29号線を舞台に、他者とのコミュニケーションが必要以上にできない女性、のり子が、風変わりな少女、ハルと絆を築いていく姿を描きます。主人公、のり子をこれまでにない浮遊感漂う佇まいで好演し、新境地を魅せる綾瀬さんに作品の魅力や俳優として得たもの、自身を輝かせるものなどを伺いました。
【綾瀬はるかさんインタビュー】
運命的なこの作品との出会い
――オファーを受けた時の心境を教えてください。
『ルート29』のお話をいただくまで、映画やドラマの撮影を1年弱ほどお休みしていたんです。それまでずっと走り続けていて作品がひと段落したら休憩したいという思いがありました。そのお休みの間、「次の作品は、縁を感じるものや運命を感じるものをやりたい」とずっと思っていて。そうして、この作品と出会いました。台本を読んだら、すごく優しい時間が流れていて、自然と涙が流れていたんです。私自身、1年弱ものお休みは初めてのことでしたが、この作品なら気負わずスッと入っていけそうな気がして。あと、森井勇佑監督が私と同じ歳で、前作『こちらあみ子』が大好きだったのも大きいです。(あみ子役の)大沢一菜ちゃんに会ってみたいという気持ちもありました(笑)。
——台本を読んで、自然と涙が流れていたとのことですが、どんなところに惹かれましたか?
一菜ちゃんが演じるハルの優しさに魅了されました。ハルは、思っていることがすごく真っ直ぐでピュアな子。言葉も行動もシンプルで、とにかく優しいんです。私が演じるのり子は、誰かと交わることもなく、自分の生活を淡々と生きている人。過去に何かがあったのか、積極的に人とつながりを持とうとはしていません。それを心のどこかで寂しく思う気持ちもあったのかなと。そんなのり子が、ハルとの旅を通して、初めてさまざまな“感情”をもらい、心が明るくなっていきます。のり子はありのままのハルと一緒にいることで救われたんだろうなって思いました。
——森井勇佑監督の印象は?
森井監督がかけてくださる“言葉”がすごく好きで、言われた言葉はメモをとって、忘れないようにしようと思いました。監督が話す言葉を共有したいい、吸収したいと思って。たとえば「のり子の中には“宇宙”があって、そのおかげで心が満たされている豊かな人なんです」というお話や、演出してくださる時の「心に隙間がある感じでお願いします」という表現が印象に残っています。
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