【私たちの更年期】麻生久美子×山本未奈子「更年期うつで2ヶ月家から出られなかった」【対談Vol.2】
執筆者:夏目 円
TALK「更年期うつ、治療と生活の見直しで回復」
山本 もともとポジティブな性格なのにネガティブに考えることが増えたり、友人と出かけるのに気分がのらなかったり……。約束時間の前には必ず到着していたのに、時間に遅れてしまうことが増えて、自分がイヤになるというくり返しでした。うつ状態が始まっていたのに、それでもアクセルを踏み続けた結果、ある日、突然、涙が止まらなくなって、朝起きられなくなってしまったんです。
麻生 それが〝更年期うつ〞なんですね。どのような症状があったのですか?
山本 仕事にも子育てにも自分自身にも、興味が持てない無関心の状態です。周囲が私の変化に気づいて「病院に行ってみたら?」と言ってくれて。当時3つの会社を経営していたのですが、もう無理だな、これでは仕事も続けられないと思って、メンタルクリニックに行きました。先生に「重いうつ状態です。今すぐ仕事を休みなさい」と言われ、ようやく気づいて休職することにしました。抗うつ剤などを処方され効き始めるまでに少し時間がかかり、2ヶ月間は家から出られずにいました。薬が効き始めた頃、自分の生活も見直そうという気持ちになりました。復職まで半年かかりましたが、治療と生活の見直しで、元の私に戻ることができました。
麻生 半年間のお休みで回復されるなんてすごいです。治療だけでなく、日常生活でも何か対策をされたんですか?
山本 睡眠、食事、生活習慣を見直しました。それまでは子どものため、社員のため、と思っていたけれど、もっと自分をいたわらないと、かえって家族にも社員にも迷惑をかけると気づいたんです。自分の時間を持つようにして、家事で外注できるところは外注して。完璧主義を休んで、もっと人に頼ってもいいんだと言い聞かせました。
麻生 お話をうかがっていて、私も思い当たることがあります。疲れが溜まったり、良質な睡眠がとれてないこともあります。黄色信号が出ているのかもしれませんね。私ももっと人を頼らないと、と思いました。
山本 閉経を境に女性ホルモンは、ほぼゼロになりますが、それまで乱高下しながら下がっていきます。すると、連動して自律神経の乱れにつながり、体温や汗、感情のコントロールがきかなくなることもあります。だから、私は更年期対策として、自律神経を整える生活を心がけました。
麻生 更年期は、ゆらぎの時期だから、ホルモンの乱れはどうすることもできないと思っていましたが、自律神経を整えることならできそうですね。生活習慣を整えることが、自律神経を整えることにつながるんですね。それなら私にもできそうです。
この記事を書いた人
美容ライター。2023年4月よりメルボルンに移住、シティからトラムで20分、ビーチから徒歩10分という絶好のロケーションのアパートに娘と二人暮らし。50歳にして味わう初体験の数々に驚きと戸惑い、さらに興奮を隠せない日々が続くも、第二の人生をとことん楽しんでいる。母娘移住のきっかけ、日常のあれこれは毎週金曜日「note」にて更新中。