【マンガで更年期】夫婦で更年期を受け入れることで生まれた、かけがえのない絆『私の生理のしまい方』8-4
執筆者:夏目 円
年齢による自分の変化を受け止めたことで、以前のようにイライラすることもなくなったゆうこさん。更年期について夫婦で理解することで、絆って深くなるものですね。
☑関口先生×原先生コラム
男性にも更年期症状があるなら
男女で不調は共有できますか?
もちろんできるわ。元気ホルモン
“テストステロン”を味方につけて!
原 ゆうこさんご夫婦のお話を聞いて、お互いの症状を軽視しない、思いやりを感じました。やっぱり「それ更年期じゃない?」と言われるより、「こう書いてあったよ」と客観的に言われた方がいいもの。
関口 そのとおりね。ちなみに、「更年期」は閉経前後の10年間を指す時期だから、男性に「更年期」はないの。でも、女性の更年期症状によく似た不調は起こる。正式名称を「加齢性腺機能低下症(LOH症候群)」といって、原因は男性ホルモン(テストステロン)の急減ね。女性の場合、女性ホルモン(エストロゲン)の急減はだいたい45~55歳と時期が決まっているけど、男性の場合はテストステロンが急減する時期はなく、加齢とともにゆるやかに下がっていくだけ。でも、ストレスとか何らかの要因で急減することがあって、どの年代でも起こる可能性があるの。テストステロンは意欲を起こすホルモンだから、低下するとイライラしたり、性的意欲や生きる意欲の低下、全身倦怠感が起こりやすい傾向があるわ。一方、グラフを見てもわかるとおり、女性も男性の1/5量のテストステロンを持っているから、人ごとじゃないのよ。更年期症状がある女性の中には、エストロゲン値に変化はないけれど、テストステロン値がかなり低い、というパターンもあるわ。
原 なんと。男女共に、テストステロンは重要なんですね。
関口 女性は閉経後、エストロゲン量は1/10になる。一方のテストステロン量は「上がる・変わらない・下がる」の3タイプに分かれるの。「上がる・変わらない」人は、テストステロンが優位になって、ポジティブで意欲的になる。特にメンタルが強くなるわ。一方で「下がる」人もいるし、何かのきっかけで急激に「下がる」こともある。テストステロン値の高さは、性的意欲の高さと比例していることがわかっているの。男女共に、最後まで楽しく生き抜くエネルギーになる重要ホルモンだから、維持していく方法を教えるわね。
『私の生理のしまい方』
自身も更年期世代の原あいみ先生が、年齢や職業、不調の出方も様ざまな9人の女性の生理や更年期の乗り越え方を丁寧に取材し、医師の関口由紀先生の監修により漫画化。単行本、Kindleで発売中。(KADOKAWA)
著者:原あいみ
はらあいみ:イラストレーター。キャラクターデザインから絵本まで、難しいことをわかりやすくイラストやマンガで伝える。体験取材・インタビューも自ら行うほか、立体制作、撮影ディレクション、企業や商品のイメージキャラクター制作なども手がける。著書に『おにのこにこちゃん』(ポプラ社)、『うんぴー』『素人ですが、デザインしてみました。』(パイ インターナショナル)など。インスタグラム @aimihara
監修:関口由紀
せきぐちゆき:『女性医療クリニックLUNAグループ』理事長。医学博士、経営学修士(MBA)、日本メンズヘルス医学会テストステロン治療認定医、日本泌尿器科学会専門医、日本排尿機能学会専門医、日本性機能学会専門医、日本東洋医学会専門医。人生100歳時代の日本の中高年女性の骨盤底・血管・骨・筋肉の総合的な維持管理を提唱し、生涯にわたるヘルスケアを実践している。横浜市立大学院医学部泌尿器病態学講座客員教授、女性のためのインターネットサイト・フェムゾーンラボ社長。
この記事を書いた人
美容ライター。2023年4月よりメルボルンに移住、シティからトラムで20分、ビーチから徒歩10分という絶好のロケーションのアパートに娘と二人暮らし。50歳にして味わう初体験の数々に驚きと戸惑い、さらに興奮を隠せない日々が続くも、第二の人生をとことん楽しんでいる。母娘移住のきっかけ、日常のあれこれは毎週金曜日「note」にて更新中。