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悪役「草彅剛」の熱気に圧倒される! 舞台『ヴェニスの商人』舞台稽古レポート

執筆者:GLOW編集部

シャイロックとして舞台を支配する草彅剛

森の演出も目を引くが、草彅が「稀代の悪役」とも言われてきたユダヤ人高利貸しのシャイロックをどのように演じるのか、彼の登場までの間、どんどん期待が高まる。そして、シャイロックとして舞台に登場した草彅は、白髪混りのヘアスタイルで、聴き馴染みのあるソフトな声ではなく、少ししゃがれた声色で高圧的に話す。表情や歩き方、手の動きなどすべてにおいて、シャイロックとして生きていると納得できる存在感。一言では言えないほど複雑な人間性を持つシャイロックを重厚な演技で見せて、舞台の空気を支配していた。

出番が終わり、長椅子に座って控えている姿も印象的だった。他のキャストが舞台上の様子を見つめているのに対して、草彅は顔を伏せたり、床を見つめていたりしていた時間が長い。シャイロックと対話しているのか? それとも自分自身と? 精神統一しているような空気感を放ち、その姿も物語の一部と感じられ、いろいろな想像を掻き立てられた。

舞台『ヴェニスの商人』 シャイロック、アントーニオ、バサーニオがそろうシャイロックとアントーニオの対峙シーン。毛嫌いするシャイロックに対しては、軽蔑した眼差しを向け、高慢さを演技に漂わせるアントーニオ。一方、アントーニオに金を貸すシーンでは、アントーニオを挑発するように犬のモノマネをし、時に冷淡さを浮かび上がらせるシャイロックにぞっとする。

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