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[インタビュー]高野洸、“真実の愛”を舞台で伝える。語り部としての覚悟と表現への想い│舞台『WAR BRIDE』

執筆者:杉嶋未来

心強い先輩たちとの共演、地元の舞台に立てる喜び

——奈緒さん、ウエンツ瑛士さんとの共演も楽しみとのことですが、お二人についての印象や、ご共演にあたって楽しみにされていることがあれば教えてください。

高野 奈緒さんは、お芝居がとてつもなく上手な方という印象があって、ずっと尊敬している役者さんです。今回、同じ作品でご一緒できること自体が本当に嬉しいですし、一緒のシーンがあるというのもすごく光栄ですね。稽古を通して、どういうアプローチで役を作っていくのかを間近で見られるのは、すごく貴重な体験になるんじゃないかと思っています。ウエンツさんは、僕が芸能界デビューした番組『天才てれびくんMAX』の大先輩でして、お会いできて本当に嬉しかったです。ご挨拶のときにその話をしたら、「芸能生活が長いんだね」って優しく声をかけてくださって。すごく気さくで、心強い存在だなって感じました。

──今回は出身地の久留米での公演もありますね。

高野 ずっと地元、久留米の劇場に立ちたいと思っていたので、ようやくそれが叶うというのもすごく嬉しいです。今回は泊まりがけで滞在できることもあって、20歳を過ぎてからなかなかゆっくり地元にいる機会が少なかったので、そういう意味でもとても楽しみにしています。舞台がメインなのはもちろんですけど、公演後に共演者やスタッフの皆さんと食事をしながら過ごす時間とか、地方ならではの空気感を感じるのも好きなんです。久留米のお店に詳しい方がいたら、ぜひ教えてほしいですね(笑)。

俳優の高野洸さん

“真実の愛”がくれる希望の物語を丁寧に届けたい

──改めて、この舞台を通して届けたい想いを教えてください。

高野 今回の作品は、これまで自分が持っていた価値観や偏見みたいなものと、改めて向き合う機会になっていると思います。ドキュメンタリーを通して当時の話を聞いているだけでも、本当に心に強く残るものがあって、「こんなにも力強い女性がいたんだ」と、すごく圧倒されました。この作品には、“真実の愛の強さ”が詰まっていると思います。戦争や差別という重い背景がある中で、それでも誰かを信じて、自分の心を貫く……その姿は、本当に希望にあふれていて、前を向かせてくれる力があると感じました。誰かの生き方に触れることで、自分の中の価値観が揺さぶられたり、何かを考えるきっかけになったりする。そんな舞台になれば嬉しいですし、自分自身も、毎公演を大切に丁寧に届けていきたいと思っています。この物語が舞台という形になって、お客さんの前でセリフとして交わされていくとき、その言葉の重みやリアルさがより鮮明に伝わってくると思います。会話劇としての面白さもありますし、体感として深く心に残る作品になるんじゃないかなと、僕自身も楽しみにしています。

この記事を書いた人

舞台の制作を経てライターへ。女性誌、インタビュー誌、劇場用パンフレットやwebサイトで音楽、映画、舞台、ドラマなどエンタメ系のインタビューやレポートを執筆。著書に『ぜんぶ! 海外ドラマ』がある。

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