40代の末端冷え性は血管の衰えのサイン、専門家が教える「肘カイロ」の新常識
執筆者:GLOW編集部
気温が下がり、体の冷えを意識する女性が増える季節が到来。そこで今回は、登録者数145万人超のYouTubeチャンネル『腰痛・肩こり駆け込み寺【山内義弘】』を運営する理学療法士・山内 義弘さんによる「肘カイロ」の解説をご紹介します。
理学療法士・山内義弘氏が解説 「“肘カイロ”の新常識」とは
冬になると多くの女性が悩む“手足の冷え”。その大きな要因とされるのが、血流の低下、つまり毛細血管の働きの衰えです。毛細血管は全身に張り巡らされ、その長さは約10万kmとも言われます。血流が滞ると、手足の冷たさ、しびれ、爪の割れや肌荒れなど日常的な不調だけでなく、特に糖尿病の方では重度の合併症につながることもあります。
実は、毛細血管は一度衰えると元に戻らないと思われがちですが、近年の研究で、カイロで温めることで血管が生まれる可能性が報告されています。大阪大学と小林製薬の共同研究では、肘の外側にカイロを貼ることで毛細血管の血流が改善したという興味深いデータが示されました。
なぜ「肘の外側」なの?
肘の外側は筋肉が薄く、骨が触れやすい部位です。ここに温熱を加えると、骨を伝って熱が広がり、周囲の毛細血管にまで温度刺激が届きやすいと言われています。筋肉は直接温めても、熱がとどまってしまう可能性が高いため、外側の骨が飛び出ているところが効果的なのです。
また、温める前に上腕部へ絆創膏を貼って筋肉の緊張をゆるめることで、上腕動脈や正中神経への圧迫が軽減され、手指への血流や神経伝達がスムーズになる可能性があります。これは指の冷えや手のこわばり、ばね指などの予防にも役立つと考えられています。
「肘カイロ」の貼り方のポイント
①上腕二頭筋の輪郭に沿って、軽く曲げた状態で絆創膏を2枚貼り、筋肉の緊張を和らげる
②その後、肘の外側の骨が飛び出ているところに、衣服の上からカイロを貼る。衣服の上から貼ることで低温やけどを防止してくれます。
1日6~8時間を8週間継続すると、毛細血管の再開通が期待できるというデータも。“温めるだけ”というシンプルなアプローチですが、科学的根拠が示されつつあることで、これまでの冷え対策の常識が大きく変わりつつあります。冷えに悩む方は、ぜひ一度取り入れてみてください。
教えてくれたのは…理学療法士・山内 義弘さん
20年以上の治療経験を持つ理学療法士で、YouTube登録者数138万人超え。著書に『体の不調をすべて解決する 絆創膏を貼るだけ整体』(KADOKAWA)『体の不調が整う!カイロを貼るだけ健康法』(宝島社)など。
腰痛・肩こり駆け込み寺【山内義弘】:https://www.youtube.com/@yamauchi_kakekomidera
詳しく知りたい人はこちらもチェック
『体の不調が整う!カイロを貼るだけ健康法』(TJMOOK)
著者名:山内 義弘
出版社:宝島社
定価:891円(税込)
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