映画『BLUE GIANT』山田裕貴・間宮祥太朗・岡山天音インタビュー「自分を心底信じているのが主人公の宮本大。自分はネガティブなので憧れます」
執筆者:GLOW編集部
2月17日に公開となる映画『BLUE GIANT』。ジャズバンドを結成する3人の若者を描いた、石塚真一先生の大人気ジャズ漫画作品のアニメ映画化。声の出演となる、山田裕貴さん、間宮祥太朗さん、岡山天音さんにインタビュー! 演じたキャラクターについて、アフレコについて、雑誌GLOWのテーマ輝きについても伺っています。
【人気漫画がアニメ映画化『BLUE GIANT』】
石塚真一の漫画作品『BLUE GIANT』がアニメ映画化。実力も個性もバラバラな3人が、ぶつかり合いながらもジャズの高みを目指していく様子が描かれる。サックスの宮本 大を山田裕貴さん、ピアノの沢辺雪祈を間宮祥太朗さん、ドラムの玉田俊二を岡山天音さんが演じる。音楽ではピアノを上原ひろみさん、サックスを馬場智章さん、ドラムを石若駿さんが演奏。
――それぞれのキャラクターに対する印象を教えてください。
山田 心底、自分を本当に信じているのが宮本大というキャラクターです。それって、生きていく中で一番難しいことだと思うんですけど、一切の迷いがなく、自分を信じているんです。大きな夢も叶うと信じているから、夢というよりは道なんです。あとは自分がやればいいだけ。こんな人になりたい、こういう人についていきたいと思わせてくれる人物なので、憧れます。僕は全然、大みたいな人間じゃないから。本当はすごくネガティブで心配性です。
間宮 僕が声を担当した沢辺雪祈はピアニストなんですけど、雪祈は見る人の距離によって感じ方が変わる人物だと思うんです。遠目で見ていると、ものすごいエリートで、自信に満ちあふれている人に見える。要は自分に厳しいからなんですけどね。他人に対しても、だいぶ厳しい目を向けているタイプなんですが、この2人(大と玉田)と親しい間柄になってくると、そのベールの内側が見えてくるんですよ。実は、人間味あふれる部分もあって、自ら、余裕を持っていなきゃいけないっていうプレッシャーを与えているんだなと。そういうところが好きだし、魅力的なキャラクターだなと思いました。
山田 自分と重なる?
間宮 割とあるかも。マネージャー曰く、インタビュー前によく「間宮さんへのNGな質問って何ですか?」って聞かれるらしいんですけど、NGなんてないんですよ。なんか、気難しい人だと思われがちなんですよね。気持ちが作れないと芝居を止めたりしそう、とか(笑)。
山田 アハハハ! そんなイメージないけどね(笑)。
岡山 ないよね(笑)。玉田は、3人の中で一番お調子者なところがあるんですけど、すごく繊細な心も持っている人。一番多面的というか二面性のあるキャラクターだと思います。やわらかい部分と、するどい部分とがあるから。この仕事をしていると、同じ人間とは思えない人ばかりなんです。本読みをしたときとか、ああ、俺だけ人間だなって思っちゃうくらい。だからすごい才能を持った2人といる玉田には一番、共感していました。玉田が一番、泥臭く、汗をかきながら一歩一歩、歩んでいっている、普通の人間というか、等身大のキャラクターなので。
山田裕貴さん
1990年9月18日生まれ。現在、フジテレビ系ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(月曜21時~)、NHK大河ドラマ『どうする家康』(日曜20時~)に出演中。ニッポン放送「山田裕貴のオールナイトニッポンX」ではパーソナリティを務める。
――一緒にアフレコをしてどのような印象を持たれましたか?
間宮 2人とも、上手いなぁと思いました。自分の知っていたアフレコって、こう、赤いライトがついたらしゃべる、みたいな感じで。ドラマとかで声を当てるときやナレーションするときと同じようなイメージだったんです。確かに、スタジオに赤いライトがあったんですけど、光らないんですよね。あれ、オレ今しゃべるの!? と戸惑ったりして、全然ダメでした。なのに2人は最初から、ちゃんとできていて。
山田 そう?
間宮 そうだよ。慣れていなかった分、監督がすごく丁寧に時間をかけて微調整してくださる方だったので、すごくありがたかったです。わからないなりに、試行錯誤しながら、ゆっくりと入っていくことができたので。進み方のスピードにはびっくりしました。えっ、もうこのシーン終わっちゃうの!? っていう。予想以上のスピード感だったので、そこに対する戸惑いと、自分の声への不安感は、最後まで拭えなかったです。その辺の不安はずっと共有していたよね。
山田 うん。自分だけ不安っていうのもわかる。俺も最初、間宮くんと天音くんの声を聞いて、うわ、ぴったりやん! って思ったから。いざ、3人のところをやりますってなったときに、俺は大丈夫か!? ってなりました。みんな、そういう不安があったのかな?
岡山 あったよ。
山田 一発目に声を入れたあと、3人で顔を見合わせたのをすごいよく覚えているんです。大丈夫かな? みたいな表情で。自分としては、(演じた)宮本大の声って、もうちょっと高くて明るいイメージだったんです。だけど、実際の大の表情が真剣な眼差しが多かったから、可愛らしい部分だけじゃなくて、強さも見えたほうがいいのかなと、いろんなことを悩みはじめて。一音、一音、これでいいのか!? と。やっていくうちに、声の色が3人ともキャラクターに乗っていって、いいグルーヴ感、コンビネーションで混じり合っていった気がする。
岡山 わかるよ。2人が話してくれたように、僕もずっと、難しさを感じながら必死でやっていました。
間宮祥太朗さん
1993年6月11日生まれ。2008年日本テレビ『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』でデビュー。映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』の~運命~が20 23年GWに、~決戦~が夏に、公開予定。
ジャケット5万2800円、パンツ3万1900円(ともにアポクリファ/サカス ピーアール) シャツ2万5300円(ミューズ/ミューズ ギャラリー) その他(スタイリスト私物)
――GLOWでは「輝きは自分の中にある」というテーマのもと、様々なコンテンツを作っているのですが、 お互いの輝いているときを教えてください
間宮 (山田さんに向かって)普段から、すごく、いろんなことを考えているタイプだよね?
山田 そうかも。
間宮 僕は逆で、プライベートのときは何も考えていない……とまではいかなくても、あまり繊細なタイプじゃないんです。でも、山田くんはすごく、いろんなことを考えている。そうやって普段から考えていることを、演技のことなどで外に出すとき、お芝居をしていてバチッとハマった瞬間は、すごく輝いていると思います。本当に集中しているし、自分の中にある、いろんな要素をちゃんと反芻して考えていて。まだ咀嚼できていない時もあるんだろうけど。
山田 うん、あるね。
間宮 そういう瞬間もありながらも、ハマった瞬間の輝きはね、すごく大きいんじゃないかな。
山田 ハマった! って感覚は、自分でもわかるんだよね。それが正解かどうかはわからないんだけど。(間宮さんの顔をじっと見て)よく見てるね!?
間宮 アハハハ!
山田 逆に言うと、ハマってないときの芝居も伝わってるんだ!?(笑)
岡山・間宮 アハハハ!
岡山 恥ずかしそう(笑)。
岡山天音さん
1994年6月17日生まれ。2022年は『キングダム2遥かなる大地へ』『さかなのこ』『沈黙のパレード』『百花』『あの娘は知らない』と公開作が続いた。主演映画『笑いのカイブツ』が公開を控える。
山田 天音くんはね、どの作品を見ていても、人間の顔をしているんです。表情も、細かいところも、人によっては、「この人、お芝居しているな」って感じられることってあるんですが、天音くんはそういうことがない。どの作品でも、お芝居じゃない、リアルにその世界で生きている人として存在している。台詞まわしもそうなんだけど、そこがすごいし、輝いているなって。
岡山 えっ、僕の出ている作品、観たことあるんですね!?
山田 いや、あるでしょ(笑)。一緒に少女時代のライブに行った仲じゃない!
岡山 確かに、行きました。あれが初対面だった。
山田 10年以上前かな。
間宮 誰かいたの?
山田 もう一人俳優仲間がいて、3人で行ったんだよ。
岡山 まだ10代のときね。ちなみに、少女時代も輝いていました。じゃあ、オレは間宮くんについて。(笑いながら)もうずっと輝いてるよね!?
間宮 おい、バカにしてるだろ!?(笑)
岡山 してないですよ! 洗練されていて、スポットを浴びる星のもとに生まれた人が集まっている業種ではありますけど、その中でもオーラを放っている人です。間宮くんとも10代の頃からよく顔を合わせていてね。
間宮 そう。オーディションでよく一緒になってた。
岡山 その当時から、彼の輝きは感じていました。学園ものだったり、同世代が集まる作品で一緒になることが多かったんだけど、間宮くんが来ると、空気が変わるというか。
山田 なるほどねぇ。
岡山 大先輩とかならわかりますけど、そんな人、同世代ではなかなかいないので。20代前半のときから、光を放っていましたよ。この瞬間がっていうより、24時間営業な感じです。
間宮 20代前半とか10代の頃は、単純に偉そうだったんだよなぁ。
岡山 そんなことないっすよ。めちゃくちゃ丁寧でしたもん。
間宮 偉そうというか、なめられたくないっていうのが強かったのかな。
岡山 エネルギーが放出されていた感はあったけど。
間宮 オーディション会場で、みんながすごい台本読み込んでいたら、オレは見ないし、全然、余裕だからっていうスタンスでいてね。逆に、みんながワイワイ楽しそうにしていたら、「遊びに来てんじゃねーんだぞ」っていうトーンでいたりして、天の邪鬼な部分がありました。今は全然、そんなことないんですけど!
山田 昔、焼肉屋で見かけたことがあったけど、声かけようか迷ったもんなぁ。こう、なんかオーラ的なのを放っているから。オレ、話しかけて大丈夫かなって思ったくらい、なかなかの強い輝きだったよ。
間宮 もうやめて。恥ずかしくなってきたわ(笑)。
☑2月17日(金)公開『BLUE GIANT』
【あらすじ】ジャズに魅了され、テナーサックスを始めた仙台の高校生・宮本大(ミヤモトダイ)。雨の日も風の日も、毎日たったひとりで何年も、河原でテナーサックスを吹き続けてきた。卒業を機にジャズのため、上京。高校の同級生・玉田俊二(タマダシュンジ)のアパートに転がり込んだ大は、ある日訪れたライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈(サワベユキノリ)と出会う。大は雪祈をバンドに誘う。はじめは本気で取り合わない雪祈だったが、聴く者を圧倒する大のサックスに胸を打たれ、二人はバンドを組むことに。そこへ大の熱さに感化されドラムを始めた玉田が加わり、三人は“JASS”を結成する。楽譜も読めず、ジャズの知識もなかったが、ひたすらに、全力で吹いてきた大。幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈。初心者の玉田。トリオの目標は、日本最高のジャズクラブ「So Blue」に出演し、日本のジャズシーンを変えること。 無謀と思われる目標に、必死に挑みながら成長していく “JASS”は、次第に注目を集めるようになる。「So Blue」でのライブ出演にも可能性が見え始め、目まぐるしい躍進がこのまま続いていくかに思えたが、ある思いもよらない出来事が起こり……。
2月17日(金)全国公開!
2023/日本
原作:石塚真一『BLUE GIANT』(小学館)
監督:立川 譲 脚本:NUMBER8 スタジオ:NUT
出演:山田裕貴、間宮祥太朗、岡山天音
音楽演奏:上原ひろみ、馬場智章、石若駿
配給:東宝映像事業部
©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会
©2013 石塚真一/小学館
撮影=野呂知功〈TRIVAL〉 ヘア&メイク=小林純子(山田さん)、三宅 茜(間宮さん)、新宮利彦〈VRAI〉(岡山さん)スタイリング=森田晃嘉(山田さん)、津野真吾〈impiger〉(間宮さん)、岡村春輝(岡山さん)取材・文=根岸聖子
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