【神崎恵が今思うこと】「自分の価値を上げるのではなく、気持ちを上げてハッピーでいることを意識」【連載Vol.1】
執筆者:土谷沙織
可憐な佇まいの奥に、強くてしなやかな自分軸を持った美容家・神崎 恵さん。その生き方や考え方を同世代とシェアする連載「神崎 恵の酸いも甘いもオンナの醍醐味」がスタート! 第1回は自分との向き合い方!
【朝起きて、いい感じ!と思える日なんてほとんどない】
朝起きた時、鏡に映った自分を見て「今日、いい感じかも」と思える日なんて、年に数えるほどしかありません。自分の疲れた顔ほど気分を下げるものはないのに、ほぼ毎日突きつけられる現実(笑)。だからわたしは、誰にも会わない休日も、元気がない時こそメイクをして心のエンジンをかけます。そんな風に自分を盛り上げ、力づける術を持つことって大事です。 今、「きれいになりたい」「お洒落をしたい」というパッションは、ほぼ自分の内側に向いています。だからメイクでもファッションでも、目指すところは、自分の気持ちを上げてハッピーでいること。
頼れるビッグジャケット
「見た目も好きだし、羽織るとなんだか落ち着くビッグジャケットは、ちょっと元気がない時のお助けアイテム」(神崎さん)。グレー7万1500円(エイトン/エイトン青山) ベージュ7万4800円(カオス/カオス表参道)
反対に自分の〝価値〞を上げようとメイクしていると、欲望が色となり線となりLook at me!の顔になる。それは、もがいていた20代の頃と重なります。同世代の女性たちと話すとみんな「あの頃は辛かった」と言います。自分が何者かわからず、人と比べて自分の価値を測り、さらに人からよく思われたい欲もあって、常に苦しかった時代。今考えるとくだらないけれど、当時はブランドバッグや厚塗りメイクが自信を補ってくれる数少ないツールだったように思えます。
毎日のサプリメント
「細胞を活性化させるNMNのサプリを朝晩飲んでいます。自分を盛り上げる元気の素です」(神崎さん) NMN12000サプリメント60粒7万5600円(松倉クリニック代官山)
その点、今はとても気楽。誰に何を言われようが気にしない図太さが育ち、何かを選択する際に自分の考えを尊重できるようになりました。そこに至るには、年齢と努力と失敗と……いろいろな経験を積み重ねて、世の中が平等ではないことを理解し、あきらめることも受け入れてきました。そうして、自分の身の丈を知ったのだと思います。もう、背伸びをして自分をよく見せる必要がなくなったんです。 仕事も、子育ても、家庭のことも、簡単なことなんてひとつもないのです。その中でも特に家事や育児は、他者からの評価を得にくいぶん、ゴールの見えない辛さがある。だからこそ、ちゃんと自分のがんばりを自分で認めることが大事だと思います。世間から見て立派なこと、大きなことを成し遂げなければ意味がない、なんてことはなくて、自分がめざすことを実行できたならそれでいいと思うんです。
やっぱり、自分だけは何があっても自分の味方でいたい。何かうまくいかない時、「あなたのせいじゃないよ」と自分自身に言ってあげられたら、きっと前を向けるはずです。 心地よく日々を過ごす意味でも、自分のトリセツは重要です。わたしの場合、やりたいことをリスト化して忙しく過ごし、食べて、運動して、心身ともにスッキリするという循環が平常心を保つ基本。さらには、無理してまで人付き合いをしないことも大切。自分のために使える時間があってこそ、人生は豊かになる。できるだけ笑顔でいるために、わたしは日々、あの手この手でわたし自身を応援しています。
☑キッチンのお供は美味しいお酒と90年代ミュージック
キッチンで聴く音楽は?
「お酒をチビチビやりながらキッチンで聴くのは、1980年代後半~90年代半ばの邦楽ベストソング。ノリノリでごきげんに」(神崎さん)
撮影=渡辺謙太郎 スタイリング=石関靖子 ヘア=shuco〈3rd〉 取材・文=土谷沙織 ※GLOW2023年8月号より
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