【更年期と夏疲れ】高尾美穂先生「みんな頑張るのが上手で休むのがヘタ、自分なりの工夫や対策でケアを」!【メンタルヘルス】
執筆者:ヴィーナスちゃん
更年期の女性にとって24時間疲れる夏。ヴィーナスちゃんが、優しいアドバイスで人気の高尾美穂先生に心の健康ケアを伺います!
夏は環境そのものがストレス、まずは体の元気を保って
ヴィーナスちゃん(以下V) 夏疲れが更年期の症状を悪化させるって本当ですか?
高尾先生(以下高尾) 夏疲れと更年期の不調は自律神経失調状態と似ていて、更年期の女性にとっては不調をきたす理由が増えていることを知ってほしいです。問題は気温のアップダウン。外は猛烈な暑さで屋内が寒すぎる。それによって体内を一定に保とうと働く自律神経とホルモンを司る視床下部の働きがビジーになってしまうんです。
V なるほど。それらはメンタルにも影響を及ぼすんですか?
高尾 「心身一如」という言葉がありますが、体の調子が悪いと心の調子も悪くなり、心の調子が悪いとそれが体に表れます。ただ、心の部分は説明しにくく、治療法も原因もわかりにくいですよね。だからまずは体の状態をよく保てば、心の不調が起こりにくいと考えてください。夏は環境そのものがストレスと気づき、自分ができる範囲内で室温調整をして生活習慣も見直しましょう。
【メンタル夏バテ お悩み解消法】
☑自分は仕事ばかり、周囲は夏を楽しんでいてなんだか枯れていく感じ
自分は仕事に追われ、友人たちは夏を楽しんでいる……。それで「枯れていく」という思考はもったいない。人生を楽しめるかどうかは、未来の楽しいことを探そうと思えるか。夏だけではなく、年間を通してライブなどの楽しい予定を入れるといいですよ。未婚・既婚問わず、仕事6割、家族や近親者との時間2割、さらに自分だけの居場所2割を作るとどれかが否定されても残りがカバーしてくれます。
☑暑さのせい? だるくて何もできません
仕事以外にも母、妻、娘、求められる役割が多すぎて、24時間を自分以外の何かに使うことをいとわないのがGLOW世代。頑張るのは上手だけど休むのが下手。「だるいな」と思ったら、やらなければいけないことがあっても思い切って本気で休んで。休んだ後に「何かやりたい」というふつふつとした気持ちが出てくるかを確かめたらいいですよ。休んでもやる気が出ないなら心療内科か精神科への相談をすすめたいです。
☑不調を家族や同僚に理解されず、無理を重ねて悪循環に……
まわりの理解を得たい時に考えたいのは、調子の悪さに対して自分なりの工夫や対策をしているかどうか。そこを放棄している女性は意外と多いです。体調が悪いなら、本当に更年期かどうかの判断も含めて婦人科を受診するのがいちばん。漢方、サプリのエクエル、ホルモン補充療法などひとりで我慢しなくてもいい時代になっています。日本女性医学学会のHPには更年期に詳しい専門医も掲載されているので参考にしてください。
☑教えてくれたのは
高尾美穂先生
女性のための総合ヘルスケアクリニック「イーク」副院長
産婦人科専門医。「すべての女性によりよい未来を」をモットーに、専門的な知識をわかりやすく伝える啓発活動に取り組む。
取材・文=大橋美貴子 ※GLOW2022年9月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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