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【伊藤英明】13年ぶりの舞台・フォートナイト・岐阜で山を開拓と、50歳を前に満喫中!【舞台『橋からの眺め』インタビュー】

映像を中心に活躍し、舞台には「苦手意識があった」という伊藤英明さん。50代が見えてきた今だからこそ、俳優として、より高みを目指すために新作舞台『橋からの眺め』に挑みます。自身が輝いている時、楽しんでいることも教えてもらいました。


ジョー・ヒル=ギビンズが日本で初演出
PARCO PRODUCE 2023『橋からの眺め』

20世紀を代表するアメリカの劇作家、アーサー・ミラーによる社会派ドラマ。ニューヨークの貧民街に、最愛の姪と暮らす平凡な夫婦が、違法移民の従兄弟を受け入れたことで、歯車が狂って悲劇に見舞われる。英国内外で高い評価を得ているジョー・ヒル=ギビンズを演出に迎え、伊藤英明が13年ぶりに舞台に挑む。

[出演]伊藤英明、坂井真紀、福地桃子、松島庄汰、和田正人、高橋克実
[日程]9月2日(土)~24日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
10月1日(日) J:COM北九州芸術劇場 大ホール 13:00開演
10月4日(水) JMSアステールプラザ 大ホール 18:30開演
10月14日(土)~15日(日) 京都劇場

公式サイト


「50歳を迎える前に、舞台に改めて挑戦したかった」

――舞台に出演されるのは13年ぶりになるとか。今回、出演を決めた理由というのは?
「芝居についてはずっと現場で学んできたことが大半だったので、50歳を迎えるにあたって、自分で苦手だなと思うものに取り組んでいこうと思ったことが主な理由ですね。苦手というか、舞台というものがずっと怖かったんです。でも、そういう苦手意識のあるものや、今までやってこなかったことに挑戦しないと、新しいものは生まれてこない。怖かろうが、何だろうが、そこを超えていかないといけないと思ったんです。あと2年で50ですからね」

――年齢を重ねるにつれて守りに入ってしまいがちですが、そこをあえて、自ら飛び込んでみようと。
「そうですね。50歳前に挑戦するっていう、まさに人生の転機なんだと思います。ここからどう選んでいくかで、この先の10年がまた違ったものになるだろうし、がんばりどころなのかなと。俳優って定年がないですし、何歳になってもできる仕事じゃないですか。それでも、今新しいことをやっておかないと、先細りになったり、やりたくないっていう気持ちが大きくなったりしそうで。ひとつのジャンルを苦手なままよりは、もう一回やってみようかなと。そういう気持ちになったときに、今回のお話をいただけたので、これは思し召し、縁だなと思いました」

――年代のお話が出ましたが、年齢を重ねるにつれて変わってきたことというのは。
「若いときは、自分がやっていて楽しいかどうかを優先しがちでした。それが人が喜んでくれることをうれしいと思うようになった。僕のまわりを見ていてもそうなんですが、この年代で、こういった仕事をしていると、そういう“人に喜んでもらう”ことが好きだったんだと気づく瞬間っていうのがあるんです。挑戦とは言っているけれど、それによって誰かの人生に触れる、観に来てくれた人の人生が少しでもよい方向に転がってくれたらと。苦手だし、避けて通りたかったものと向き合うことで、何かが生まれるかもしれないし、誰かにいい影響を与えられるかもしれないなというのを、大切に思うようになりました」

「『橋からの眺め』で演じるエディは風貌も内面もリアリティのある人物にしたい」

――『橋からの眺め』で演じるのは、イタリア系アメリカ人のエディという人物です。現時点では、どのようなキャラクターだと捉えていますか?
「自分の仕事に一生懸命で、家族や友人、日々の生活の中のささやかな幸せを大切にしている、善良な人間だと思います。物語が進むにつれて、なぜこうなってしまったのかということが描かれている。まずは、普通の人としての生活の様子を、丁寧にやっていこうかなと。風貌はもちろん、セリフだけじゃなく、内面からリアリティのある人物にしたいですし、そのときどきの感情を、しっかりと芝居に落とし込んでいく必要がある。台本を読んで浮かんだ感情を増幅させるのか、逆に削るのか、そこはまだやってみないとわからないけど、まずは稽古の中で起こった感情を素直に演出家の方にぶつけてみて、どう芝居に落とし込んでいくかというのを一緒に突き詰めていきたいなと」

――舞台を作り上げるという過程で楽しみなことは?
「稽古は楽しみなんですけど、あとは何だろう?  現時点ではまだ何も始まっていないので、わからないことばかりで。舞台をたくさんやっている先輩からは、どうやって台詞を覚えているのかとか、どうやって楽しむのかっていうのを聞いてはみているんです(笑)。でも、みんな、同じことを言いますね。本番はお祭りみたいなものだから、何をやってもいいんだよって」

――台詞に関しては、どのような方法を取っているんですか?
「いろいろ聞いてはみたんですが、みなさん、様々なんです。相手の台詞を吹き込んで、自分の台詞を言うっていう人も入れば、書いて覚える人も、ブレスの位置まで決めている人もいる。いろんな人がいるんだなぁと思いながら、僕はまだ、どれが自分に向いているのか、見つけられていなくて。そこも、今回の挑戦のひとつだなと考えています」

伊藤さんが輝いている瞬間は?

――「GLOW」では、「輝きはいつだって内側にある」というテーマを掲げているのですが、伊藤さんご自身が、自分輝いているなと思うのは、どんなときですか?
「自分の好きなことをやっているときでしょうね。じゃあ、好きなことって何?と聞かれたら……なんだろうな(笑)。やっぱり、お芝居をしているときかな。役について考えるのも楽しいし、やるべきこと、やっておいたほうがいいことを準備するのも楽しいので。嫌だな、めんどうだな、なんていうのも、ただ言ってるだけで、全体としては楽しんでやっています(笑)。だから今もね、舞台は怖い、苦手だって言いながら、楽しんでいるんだと思います。想像するのも、課題ができて、頭を悩ますのも」

――プライベートでの最近の楽しみは?
「子どもと一緒にやるオンラインゲームをする時間です。『フォートナイト』。全世界で3億人以上がやっているゲームで、子どもはSwitchで、僕はPlayStationで、一緒に遊ぶのが楽しくて。“ビクロイ”、ビクトリーロイヤルっていう、100人で対戦して1位になるともらえるのがあって、それを獲ったときは、一段と輝いていると思います(笑)」

――仕事でも輝き、オフタイムでもリフレッシュしながら輝いている!
「リフレッシュ……まぁ、こじつけるとそういう感じ(笑)。あとは岐阜放送で制作している、『岐阜英明』という番組も楽しんでやっているので、輝いていると言えるかもしれない。ダムに潜ったり、山を開拓したりと、大人の冒険みたいな、ちょっとやってみたいなと思ったことが実現しているので、大変ではありますが、楽しんでやっていますので、観ていただけたらうれしいです」


PROFILE

いとう・ひであき:1975年8月3日生まれ、岐阜県出身。1997年に『デッサン』で俳優デビュー。映画『海猿』シリーズ、『悪の教典』『テラフォーマーズ』、ドラマ『トッカイ~不良債権特別回収部~』など。今回の舞台は2010年の『ジャンヌ・ダルク』以来13年ぶりとなる。

レザーシャツ88万円、Tシャツ5万7200円、レザーパンツ86万2400円、シューズ18万7000円(すべてボッテガ・ヴェネタ/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン) その他(スタイリスト私物)

問い合わせ:ボッテガ・ヴェネタ ジャパン TEL0120-60-1966


撮影=清水将之 ヘアメイク=今野富紀子 スタイリスト=根岸豪 取材・文=根岸聖子

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