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【映画レビュー】演劇の知識ゼロの男が、子供たちや先生とミュージカル合宿に奮闘『シアター・キャンプ』10/6公開! 【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

執筆者:伊藤さとり

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は10月6日(金)公開の『シアター・キャンプ』。アメリカのサマーキャンプで、子どもたちが参加するミュージカル合宿の様子を描く。ミュージカル好きはぜひ!


ひと夏の演劇キャンプをリアルタッチで映し出す

今や子ども達の習い事の人気のひとつに「ミュージカル」が入る時代。劇団四季でもディズニーミュージカルが日々上演され、子役オーディションは『ライオンキング』や『アナと雪の女王』他、子役が必要な際に一般公募を開催。有名な『アニー』では毎年、8月から9月にかけ大々的に募集を行い、約9000人以上の中から、歌唱力やダンスの審査、表現力の審査へと進み、最終的に2名が選ばれる超難関。こんなオーディションがあるならやっぱり先にミュージカル教室へ通わせないと!と思う親子さん、アメリカにはなんだか楽しいミュージカルのキャンプがあるんだそうですよ。

そもそもアメリカのNYにはブロードウェイという通りがあり、大小の演劇やミュージカルが溢れている国です。しかもあちらは夏休みが約3ヶ月という親の顔も青ざめる長さ。そこで親達が暇になった子供を放り込む先が、キャンプやサマースクールです。当然、ミュージカルを学ぶ演劇キャンプも存在。大人の演劇講師の人たちが歌や振付を教えてくれ、皆がなんらかの役割で一つのステージを生み出す「集団行動」「目標達成」「表現力」まで学べちゃう合宿所になっています。そんな幼少期の体験を活かし、ここでの思い出を映画にしたのが映画『シアター・キャンプ』。本作で監督と脚本、メインキャラを演じたモリー・ゴードンと、ミュージカル俳優でもあり出演、脚本、製作を務めたベン・プラット、そして共同監督と脚本、製作を務めたニック・リーバーマンらが「演劇キャンプ」経験者で、友人で役者のノア・ガルヴィンと共に10年の歳月を経て、映画化まで漕ぎ着けた友情が身を結んだ物語です。

ちなみに劇中、登場するキャンプ参加者の子供達は年齢も性別も個性もバラバラ。そんな彼らの姿を手持ちカメラで撮ることでドキュメンタリーのようにも見え、より臨場感を感じるものになっている本作。しかもみんな歌もダンスもお上手で、外見も違うことでそれぞれにあった役付けがされていることも手に取るように解ります。じゃぁ、このキャンプ出身者は大人になったらどんな仕事に就くの?という疑問に答えるのが講師達の姿です。でも講師と言っても大きなステージに立つ夢を諦めた訳ではない人も居るので、彼らの行動や決断に目頭が熱くなったり。それだけでなく、一人の男の子の両親がゲイのカップルでそんな家族の姿もストーリーに組み込んでいて意外なシーンで涙まで出る始末。もちろん、ミュージカルの醍醐味を味わう公演シーンでは拍手したくなること間違いなし!

そんな居場所があることの大切さを知る笑いと涙と感動のエンターテインメントは、今年のサンダンス映画祭 USドラマ部門審査員特別アンサンブル賞を受賞。今、夢を持つ子や友人と行くと更に胸いっぱいになるはずです。
——伊藤さとり

☑10月6日(金)全国公開
『シアター・キャンプ』

【あらすじ】人気演劇スクールで、開校目前に校長が昏睡状態に。演劇に関心ゼロな息子が継ぐが、実は経営破綻寸前。存続のため、新作ミュージカル発表に残された時間は3週間。変人揃いの教師と子どもたちは完成できるのか?エンタメ界を牽引する新世代の才能が、奇跡の傑作ミュージカルの誕生をドキュメンタリータッチで描く、最高にハッピーな感動作!

 2023/アメリカ/95分
監督:ニック・リーバーマン&モリー・ゴードン
脚本:ノア・ガルヴィン, モリー・ゴードン, ニック・リーバーマン, ベン・プラット

出演:モリー・ゴードン(『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』)、ベン・プラット(『ディア・エヴァン・ハンセン』『ピッチ・パーフェクト』)、ノア・ガルヴィン(『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』)ほか
配給:ウォルト・ディズニージャパン

©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

映画『シアター・キャンプ』オフィシャルサイト

この記事を書いた人

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー 伊藤さとり

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

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邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

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