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【更年期】40代後半の妊娠、よく考えて! 不妊治療の保険適用は43歳まで【婦人科医と考えるポジティブな乗り超え方】

執筆者:夏目 円

自身の体力、親の介護などもあるので、避妊も含めしっかりと考えるべき

夏目 たとえば46歳で出産した場合、具体的にどのようなリスクが母子に起こりえるのでしょうか?

太田先生 妊婦については高血圧、前置胎盤などの妊娠合併症が考えられます。いつ危険な状態になってもおかしくないですから、母体をしっかり管理しなければなりません。妊娠期から緊急時にも対応できる大学病院に通うことになるでしょう。高齢出産に関わらずですが、お産って何が起こるか想定できません。5分前まで元気だったのに痙攣してしまった、出血多量で命の危険にさらされることだってあります。また、妊娠5ヶ月には羊水検査をして、染色体に異常がないか確認します。

夏目 45歳以上は、“超高齢出産”というんですね。超という言葉の意味がよくわかりました。

太田先生 もし40代後半での出産をのぞむなら今お話ししたリスクだけでなく、将来のことをよく考えなければなりません。お子さんが20歳になった時、お母さんは66歳になります。ご家族とよく話し合い、あらゆる想定をした上で決断すべき。ご自分の健康、生まれてくるお子さんの成長など、あらゆる点を考えた上で、慎重に決断されることをおすすめします。

夏目 そうですね。また、40代は子育てに加えて、親の介護をするケースもありますから。さらに今回のテーマのように“想定外の妊娠”が重なると、戸惑う気持ちがよくわかりました。そんな40代だからこそ、避妊についてもしっかり考えるべきですね。

太田先生 妊娠の可能性が低いからといって、避妊しなくてOKではありませんから。40代の避妊については、子宮内に装着する避妊具(ミレーナ)を装着することやピルを服用などもあります。ただ、ピルに関しては必ず医師に相談し、検査をした上で服用してください。安易にピルが手に入るようになったからこそ、慎重になることが重要です。


【教えてくれたのは】

太田郁子ウィメンズクリニック  太田郁子先生

太田郁子ウィメンズクリニック 太田郁子院長

すべての女性の女性としての特徴を小児から閉経後まで長くサポートする医療『女性医療』の専門クリニックとして設立。病気になったら治療するという従来の考え方ではなく、できるだけ将来のリスクをあらかじめ減らして、毎日を快適過ごす=ウェルビーイングな考えに基づいた医療を行う。持ち前の明るさと歯切れのいいアドバイスで、患者からの信頼もあつい。住所:岡山県倉敷市松島1152-19 ☎086-454-5061

太田郁子ウィメンズクリニック

この記事を書いた人

美容ライター。2023年4月よりメルボルンに移住、シティからトラムで20分、ビーチから徒歩10分という絶好のロケーションのアパートに娘と二人暮らし。50歳にして味わう初体験の数々に驚きと戸惑い、さらに興奮を隠せない日々が続くも、第二の人生をとことん楽しんでいる。母娘移住のきっかけ、日常のあれこれは毎週金曜日「note」にて更新中。

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