【韓国ラブコメディ】調停中に記憶喪失になった夫婦は離婚できるのか!?『ラブリセット 30日後、離婚します』公開中! 【伊藤さとりの映画レビュー】
執筆者:伊藤さとり
韓国の演技レッスンは、感情表現をはっきりさせるというのを以前、『新聞記者』(2019)に主演したシム・ウンギョンさんから聞いたけれど、まさにその通りと言える苛立ちも喜びも表情でしっかりと見てとれるほどで、それが笑いを誘い、コメディとして物語を確立させていくのだから、夫婦を取り巻くどの人も皆、楽しみながら面白おかしく演じているのが手に取るように分かるのです。夫の友人も妻の友人も、しいては親たちまで愛おしいとはこんな映画のことを言うのですよ。
黙っていれば誠実そうなイイ男であるカン・ハヌルの振り回され演技は面白過ぎていつまでも見ていたいし、チョン・ソミンの透明感ある美しさなのに生意気そうな表情はチャーミング。マンネリ気味の夫婦やカップルで見たら、良い刺激になってまた相手への「愛おしさ」も戻ってくるやもしれぬ映画『ラブリセット 30日後、離婚します』、今の世の中に笑いを求める方にもオススメします。
——伊藤さとり
☑公開中 TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
『ラブリセット 30日後、離婚します』
【あらすじ】自称知的でイケメンの弁護士だがヘタレで情けないノ・ジョンヨル(カン・ハヌル)と、名家出身のお嬢様で、仕事は出来るが破天荒なホン・ナラ(チョン・ソミン)。二人はドラマチックに出会い、映画のような大恋愛をし、親の反対を押し切って結婚。しかし、生まれ育った環境や価値観の違い、更には嫁姑問題も勃発し、遂に夫婦は離婚を決意する。
裁判所の調停で、離婚のために30日の熟慮期間を持つことを言い渡された二人だったが、その帰り道で交通事故に遭い意識不明に。病院で奇跡的に目が覚めたジョンヨルとナラ。しかし、二人それぞれが、家族のことも、結婚していたことも全ての記憶を失っていた。二人を離婚させたい両家の両親は、離婚を決心した当時の記憶を取り戻させるために、かつて夫婦が一緒に住んでいた家で再び共同生活をさせようと計画する。
但し、間違っても元のさやに納まることのないように念には念を入れてナラの妹を同居させることに。家族や友人も巻き込み、記憶を取り戻すために奮闘する二人だったが……。
2023/韓国/119分
監督:ナム・デジュン
主演:カン・ハヌル、チョン・ソミン
提供:楽天
配給:松竹
©CINEMA WOOLLIM, TH STORY AND MINDMARK
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この記事を書いた人
邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。
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