【映画】市原隼人インタビュー「人生を謳歌する甘利田先生を見て、人生を楽しむ活力にしていただけたら」『おいしい給食 Road to イカメシ』5/24(金)公開!【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】
執筆者:伊藤さとり
伊藤 甘利田先生が給食に盛り上がりすぎて、思わずテーブルに手をボンと当てるのも。
市原 やっています。これぞ『おいしい給食』というお約束のところを一つ創りたくて。給食を食べる前に机に手をぶつけるのも、自分の提案です。お子様が見ても目を背けさせないように、人生のキャリアを積まれたご年配の方が見てもしっかりと楽しめる知識、教養、道徳を得られる作品にしたくていろいろ考えています。
伊藤 そうなんですね。
市原 1989年が舞台なので今日本人が忘れかけているような詫びさび、古き良き心を今一度感じていただきたいと思っています。人間臭さの中で、滑稽で笑われても好きなものを好きと胸を張って人生を精一杯謳歌しようと毎日奮闘している甘利田の姿を見ていただいて、お客様にはもっと人生を楽しんでいいんだと、日々の活力にしていただけたら嬉しいです。
伊藤 十分活力になる、映画・ドラマです。私もゲラゲラ、笑ってしまいました。とあるシーンでジャッキー・チェンの映画『ドランクモンキー 酔拳』(1978)の動きをされてたじゃないですか。あれは脚本に入っていたんですか?
市原 あれも入ってないです。今回もまた脚本に入ってないことを沢山やっています。役者ってどんどんニッチな方に進んでいきたくなってしまうものだと思うんです。狂気の芝居がしたい、恋愛物ならもっとディープなものを演じたい、アクションならもっと派手なすごいとんでもないアクションをしたいとか、どんどん自分の世界に没入していく過程を、改めて俯瞰で見た時に、分け隔てなく多くの皆様に見ていただける王道のエンターテインメント作品というものをやるべきじゃないか、と思いました。それでいて、唯一無二の世界観をもち、社会派であるメッセージをしっかりと込めた作品を創りたいという想いが湧いてきて。あのシーンはジャッキー・チェンが大好きという子どもの頃の影響もあると思います。
伊藤 今回の映画の時代が1989年だから甘利田先生がジャッキー映画を見て、『ドランクモンキー 酔拳』に影響されているって思ったんですが、市原隼人さんが好きだったっていうのが一番にあるんですね。
市原 僕のデビュー作『リリイ・シュシュのすべて』のパンフレットにも書いてあるんです。「ジャッキー・チェンやブルース・リーのようになりたい」って。誰も嫌な思いをしない、登場人物全てが愛おしくなる作品で、家族みんなで見ていました。『おいしい給食』も、家族の団らんや人と人との絆をつなぐ架け橋になれるような作品になれたら嬉しいなと思いながら奮闘していました。
この記事を書いた人
邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。
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