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【インドの犬映画】『チャーリー』ラブラドールとチャップリン好きな孤独な男の旅 6/28公開【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

執筆者:伊藤さとり

インド映画『チャーリー』 サンダルウッド

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は、6月28日(金)公開のインド映画『チャーリー』。サンダルウッドと言われるカンナダ語の映画で、歴代5位の記録を樹立。主演とプロデュースを努めるのは、カンナダ語映画界の大スター、ラクシット・シェッティ。犬と男の絆を描いたストーリー。


ラブラドールと孤独な男のロードムービー

インド映画といっても一括りにしてはいけません。実は言語が違う作品で溢れているんです。例えば『きっと、うまくいく』(2009)はヒンディー語、『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1995)はタミル語、『RRR』(2022)はテルグ語、『グレート・インディアン・キッチン』(2021)はマラヤーラム語、『K.G.F』1&2(2018、2022)はカンナダ語という感じで、その他にも無数の言語が存在する多言語国家。ちなみに「ボリウッド」と呼ばれるのは、ムンバイ(ボンベイ)でのヒンディー語が主な映画産業、一方「トリウッド」はテランガーナ州のテルグ語の映画産業、「コリウッド」はチェンナイでのタミル語の映画産業です。

映画『チャーリー』 ラクシット・シェッティがプロデュース

そんなインド映画から今回ご紹介するのは、「サンダルウッド」と呼ばれるカンナダ語映画で、第11回南インド国際映画賞カンナダ語映画部門最優秀映画賞&最優秀主演男優賞(ラクシット・シェッティ)と第69回インド ナショナル・フィルム・アワード カンナダ語長編映画部門作品賞を受賞した孤独な男と犬のロードムービー『チャーリー』です。

インド映画『チャーリー』 チャップリンを愛する男と犬のチャーリーの物語

ちなみに有名な『ムトゥ 踊るマハラジャ』や『バーフバリ』シリーズ(2015、2017)などにある壮大なミュージカルシーンもないし、『RRR』や『K.G.F』のようなキレッキレのアクションシーンもない本作。何が多くの観客の心を掴んだかというと間違いなく“犬”と人との息の合った共演シーンなんです。タイトルにもなっている犬のチャーリーはラブラドール・レトリバーで、盲導犬としても知られる賢いワンちゃん。なので演技も達者で、劇中、小さな女の子からしつけを教わるシーンや、飼い主のダルマに抱きついたり、寝ているところを起こしたり、一緒にドッグショーに出て観客を魅了する芸まで披露。何より人嫌いの男が犬により旅先で様々な人と交流していく様子に観ているこちらも心がほぐれていくのです。

この記事を書いた人

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー 伊藤さとり

SPECIALIST

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

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邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

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