【実話映画】海女さんチーム│密輸王│税関の海中バトル!『密輸 1970』公開中!【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】
執筆者:伊藤さとり
70年代の音楽やファッションが華やかに彩る
というのも韓国では、中年と言われる世代の女性たちが主人公の映画は、興行的にも難しいと言われていました。それは日本でも同じで、もともと多くのファンを持つ女優以外は、この世代での主演作の映画製作は、収益が見込めないのではと着手できない状況下にあります。それでも韓国では大人の女性たちの友情物語『サニー 永遠の仲間たち』(2011)が大ヒットを記録、日本でも篠原涼子主演でリメイク版が公開された実績があります。
実は本作も70年代、80年代を舞台にした『サニー 永遠の仲間たち』と同じく、当時流行った歌謡曲が多く使われています。まさに70年代を象徴する音楽と女性たちのファッションやメイクで彩られたレトロ感が懐かしさと共にお洒落な雰囲気を漂わせ、画を華やかにしているのもポイントです。そこにリュ・スンワン監督が得意とする視覚的にも楽しめるアクションなどのインパクトあるカットや大胆なカメラワーク、頭脳戦まで繰り広げられるテンポあるセリフの掛け合いと気持ちの良い編集が加わり、ラストまで息つく暇もないスリリングでゴージャスな映画になったのです。
しかも女同士の友情や嫉妬、愛憎が入り混じり、それでも保たれ続ける絆に泣けちゃう。更にこの水中アクションに参加したすべての人に拍手を送りたい。今まで見たこともない美しくも面白いシーンに興奮が止まらなかったのだから。
——伊藤さとり
この記事を書いた人
邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。
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