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【実話映画】『ロイヤルホテル』旅先のワーホリ、生々しいハラスメントにあったらどうする? 7/26公開!【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

執筆者:伊藤さとり

映画『ロイヤルホテル』 伊藤さとりのレビュー

映画パーソナリティ・映画評論家の伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は、7月26日公開の映画『ロイヤルホテル』。フィンランドの女性旅行客が、旅先のオーストラリアでお金が無くなりパブで働く。しかしそのパブでは男性から、女性からハラスメントを受け、友情が壊れていく。ドキュメンタリー映画をもとに、映画界のハラスメントを描いた『アシスタント』の監督、キティ・グリーンと、主演のジュリア・ガーナ―が再びタッグを組む。


男女平等に大切なのは、女性は意志を持つ人間であること

オーストラリアの鉱山地区という男性コミュニティが根付いている地域で、女性が仕事をすることになったら何が起こるか? キティ・グリーン監督が実在する店のドキュメンタリーを観て実写映画を作ろうと決断したそう。

映画は、力仕事をする男性たちが疲れを取りに集まるパブが舞台。若い女性二人がバーテンダーとなればご想像通りの展開へ。最初はオーストラリアでの旅を楽しむためのワーキングホリデイが、ここでアルバイトを始めた途端、一気にサスペンスへと色合いが変わるのです。

映画『ロイヤルホテル』場面写真

ただし、監督の狙いは、そのハラスメント的状況を嫌悪する女性だけではなく、楽しんでしまう女性もいることも描いている点。確かに人は誰かに自分の存在を喜ばれることに存在意義を感じる生き物。特に異性との関わりでは、自分の性を意識することにもなり、映画では男性社会に放り込まれた女性2人の考え方の違いや、彼女たちに対する周囲の反応も詳細に見せていきます。このように女性にも様々なタイプが居ることを描くことで、「女性」をひとくくりにしてはいけないと伝えているんです。

映画『ロイヤルホテル』

それを分かりやすくする為に、ジュリア・ガーナー(『アシスタント』2019)演じるハンナは自分が選んだ男性であれば自ら距離を縮めるものの、身体の関係を持つタイミングは自分で決めようという心理が行動から見えてきます。一方のジェシカ・ヘンウィック演じるリブは、その場を楽しむタイプであり、地元から逃げて行き場を失っているよう。しかも男性に対する警戒心も低い。

だからこそ、警戒心を持つ女性と、無防備な女性というコンビが、男性たちとトラブルを巻き起こし、ぶつかってしまうのですが、映画に登場する多くの男性が「女性」を、「メス犬」と喩えていることで、映画のテーマがしっかりと浮き上がって来ます。

この記事を書いた人

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー 伊藤さとり

SPECIALIST

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

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邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

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