【インタビュー】こわもてのマ・ドンソクはひよこが弱点!? 映画『犯罪都市 PUNISHMENT』大ヒット公開中!【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】
執筆者:伊藤さとり
観客を魅了する『犯罪都市』シリーズの制作秘話
伊藤 『犯罪都市』シリーズでは、企画はもちろん、脚本の原案、テレビシリーズやスピンオフも考えているそうですが、どうやって物語を思いついているのですか? 物語のネタ探しのためにしていることはありますか?
マ・ドンソク 実際の刑事たちに集まってもらって、いろいろな事件についての話をしてもらい、その中からアクション映画に合うもの、マ・ソクトというキャラクターが扱うことができるケースを選び出しています。そして、実際の事件を参考にヴィランやその他の登場人物を作ります。実際の事件の捜査記録で検挙する犯人が1〜2人だったとしても関連するエピソードが多く、2時間の中にすべてを盛り込むことはできません。そのため、「アクション」、「サスペンス」、「痛快さ」に重点を置き、それ以外のものを削ぎ落としていく過程で何度もシナリオを直します。そうやって修正を重ねたシナリオについてもう一度会議を開き、さらに撮影をしながらも、俳優や監督、スタッフたちと相談し、修正を加えながら、映画を完成させます。
伊藤 シリーズを追うごとにグレードアップし、ファンを増やしている理由はどんなところだと思いますか。
マ・ドンソク 観客の皆さんは、どうやら現実的でリアルなアクションと痛快な展開がお好きなようです。長い間、映画とアクションにかかわってきた過程で得た経験とノウハウを『犯罪都市』の世界観とキャラクターを作るために捧げてきました。1本、1本、心を込めて作った完成品を評価してくださったことに感謝しています。マ・ソクトというキャラクターについても、悪い奴らを捕まえる痛快さ、胸がすっとすると同時にリアルだと感じられるアクション、そして、ユーモラスな姿が愛されているようです。感謝しかありません。
伊藤 本シリーズを作る上で製作チームとどんなことを目指していますか?
マ・ドンソク より多くの観客が楽しく見られるように、エンターテインメントという点にフォーカスしています。「勧善懲悪」というメッセージもなければいけませんし、その中で変化を与えなければ退屈してしまうでしょう。シリーズが続けば、毎回、期待し、好んでくれる人が必ずいる反面、欠点を指摘する人も出てきます。常に違った面を見せ、魅力的な作品にするという目的に忠実にやっていこうと努力しています。
この記事を書いた人
邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。
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