【映画】藩を守るためたった11人で幕府軍に立ち向かう! 白石和彌の時代劇『十一人の賊軍』公開中! 【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】
執筆者:伊藤さとり
映画パーソナリティ・映画評論家の伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は、11月2 日(金)に公開したばかりのの『十一人の賊軍』。『日本任客伝』『仁義なき戦い』シリーズの脚本家・笠原和夫さんが1964年に書いたプロットを映画化。江戸から明治に変わりゆくなか、新発田で11人の罪人が砦を守る時代劇を、白石和彌監督が手がける。
伊藤さとりさんレビュー
新発田藩の11人が官軍に立ち向かう
チームで大軍勢と戦う展開の時代劇。
記憶に新しいものであれば2010年にリメイクされた役所広司さん、稲垣吾郎さん、市村正親さん、山田孝之さん、伊勢谷友介さん他出演、三池崇史監督の『十三人の刺客』が思い出されます。これを集団抗争時代劇とも言うんですが、代表的な作品では1954年の黒澤明監督の『七人の侍』がありますね。弱き者を守ろうと巨大な勢力に立ち向かう勇者達の姿は、私達に正義の在り方や勇気を与えてくれる名作ばかり。
思えばここ数年は、昔ほど本格的な時代劇をあまり見かけなくなった気がします。そんな中、真田広之さん主演、プロデュースによるハリウッドで製作したドラマ「SHOGUN 将軍」が今年9月、アメリカ最大のテレビ賞であるエミー賞で最多となる18部門受賞したことは、時代劇の魅力を再確認させてくれる出来事でもあり感慨深かったものです。
実は時代劇は、広大な撮影地や家屋を始めとする昔の建造物といったセット、衣装、ヘアメイク、殺陣、馬や大軍勢などなど、通常以上に予算がかかります。だからこそ主演級のキャストを揃え、大掛かりなセットと時代劇を支えるプロの職人達を集め完成した新作『十一人の賊軍』は、“世界に通用する日本映画の賭け”と言える作品なんです。
この記事を書いた人
邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。
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