• Culture

GLOWの
記事をシェア

【映画】藩を守るためたった11人で幕府軍に立ち向かう! 白石和彌の時代劇『十一人の賊軍』公開中! 【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

執筆者:伊藤さとり

山田孝之さん、仲野太賀さんをはじめ豪華キャストが魅せる

けれどそれは日本ブームに便乗した海外向け作品というわけではなく、しっかりと日本人に受け入れられる大衆映画にもなっていました。だって主演はバケモノ俳優として知られる演技力抜群の山田孝之さんであり、彼を慕いその次の世代としてしっかりと実績を積んでいる仲野太賀さんだから。さらには仲野太賀さんと親しい岡山天音さんも弱者から勇者へと姿を変えるメンバーとして顔を揃えています。
しかも今作は、「正義と悪事」にとどまらず、「平和ってきれいごとだけでは成り立たない」と言わんばかりのもう一歩踏み込んだ脚本になっているところが特徴。そこにまつわる難しい役を演じているのが、大ヒットドラマ「不適切にもほどがある!」などコミカルな役に定評がある阿部サダヲさんというのも面白いキャスティングです。そしてもうひとり、『ゴールデンカムイ』でのクレイジーな役が印象深い二枚目俳優・玉木宏さんまで登場なのだから、キャストだけでも豪華絢爛なのは想像がつくかと。

映画『十一人の賊軍』

映画『十一人の賊軍』山縣狂介(玉木宏さん)

そんな『十一人の賊軍』は、殺陣が楽しめる映画というより、少人数で大群衆に立ち向かう為の頭脳戦に驚き、一匹狼だった彼らが時間をかけて心を開いて行き、相手を思いやる心を持ち始める姿に胸を打つ作品でした。命を投げ出すことより生きることを大切にしつつ、誰かを命懸けで守ることを伝えるドラマティックな映画は、きっとあなたの心に火をつけるはず。あ、劇場に行く前にハンカチを忘れずにね。

この記事を書いた人

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー 伊藤さとり

SPECIALIST

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

執筆記事一覧を見る

邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

記事一覧へ戻る

GLOWの記事をシェア!