【小泉今日子インタビュー】『ピエタ』朗読や新しいものにチャレンジする源は? 「本当に好きなものを知っておくと迷わずキャッチできる」
執筆者:根岸聖子
Amazon オーディブル(以下、Audible)のオーディオブックに、大島真寿美さんの小説『ピエタ』が登場! 朗読はなんと小泉今日子さん。小泉さんは作品に惹かれ2023年に舞台をプロデュースしています。作品の魅力や朗読の裏話、40代へのアドバイスを伺いました。
大島真寿美×小泉今日子×向島ゆり子
『ピエタ』 Audible版
2012年本屋大賞第3位、大島真寿美の名作!! 朗読に俳優・小泉今日子、音楽に向島ゆり子を迎えAudiobook化。
18世紀、水の都ヴェネツィア。ゴンドラが運んでいくのは、秘めた恋とかけがけのない友情――。生への限りない祝福に満ちた感動作!
18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。
『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児を養育するピエタ慈善院で音楽的な才能に秀でた女性だけで構成される〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。
一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる――。史実を基に、立場や境遇の違う女性たちの交流と絆を瑞々しく描きだした傑作長編。
『ピエタ』 Audible版
著者:大島真寿美
ナレーター:小泉今日子
配信日:2024年12月13日
小泉今日子さんインタビュー
Audibleでのオーディオブック朗読について「音楽と共に聴けるんです」
——朗読で様々なコンテンツが楽しめる媒体、Audibleについて小泉さんはどのような印象を持っていますか?
「音声で楽しめるものって、例えば移動中、車の運転中もそうだし、家事をしているときなど生活の中にスッと入ってきやすいんですよね。映像だと目が奪われるから動きが止まってしまいがちだけど、音声なら自然に楽しめる。特にコロナ禍を経て、実はすごく必要なコンテンツなんじゃないかって思いました」
——今回、朗読を担当した小説『ピエタ』は小泉さん自身が年月をかけて舞台化を実現するなど、とても思い入れのある作品だと思います。オーディオブックに入ることになったのは、小泉さん発信なのでしょうか。
「私が最初に『ピエタ』を読んだときに、これはいつか舞台でできたらいいなと思ったのがはじまりで。でもまさか自分がプロデュースするとは思ってもいなくて、誰かに働きかけてみようと思ったところから、どんどん話が進んで10年経ってやっと実現したんです。その後、とある本のイベントで私の朗読と向島ゆり子さんのバイオリン、大島さんのトークショーをやってみたところ、とても楽しく、感触がよかった。そんな私たち “トリオ・ザ・ピエタ”で望んだのがAudible化でした」
——小説はかなりのボリュームですが、収録はいかがでしたか?
「週に2日、1回4時間ほどで録音したのですが、とても楽しく進められました。『ピエタ』は音楽家のヴィヴァルディに関係する女性たちの群像劇で、私が最初に小説を読んだときはヴィヴァルディといえば『四季』といった有名な曲しか知らなかったんです。でもこのAudibleでは知らなかった他の音楽も一緒に聞けますから、ここから入る人が羨ましいです(笑)」
——登場人物は女性が多いですが、男性も出てきます。声で演じ分けされているのでしょうか。
「自分ではそこまで意識はしていなかったのですが、自然に演じ分けになっているみたいです(笑)」
この記事を書いた人
女性誌、テレビ誌、インタビュー誌など定期刊行物やwebサイトで音楽、映画、舞台、ドラマなどエンタメ系のインタビューやレポートを執筆。好奇心の赴くままに、体験もの、実用記事、書籍なども常時進行中。