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『RRR』のNTR Jr.が海を舞台にバイオレンス! 映画『デーヴァラ』を伊藤さとりがレビュー!【シネマでぷる肌‼】

執筆者:伊藤さとり

NTR Jr.が英雄を演じるインド映画『デーヴァラ』

映画パーソナリティ・映画評論家の伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は3月28日公開の『デーヴァラ』。『RRR』のNTR Jr.が今度は海を舞台にひと暴れ!


【伊藤さとりさんレビュー!】

日本でも話題沸騰のNTR Jr.が主演!

カッコ良すぎるタイプの違う二人の男、ラーマとビームのバディものであり、復讐と裏切りと絆を神話を交えてドラマチックに描いたことで多くの人のハートを射抜いたインド映画『RRR』(2022年:日本公開)。
日本では爆発的なロングランヒットを記録し、一気に日本ファンが激増したビーム役のNTR Jr.さん。ご本人曰く、日本でのヒットのお陰で欧米でも話題となり、劇中の超高速ダンスバトル(ナートゥダンス)は、米アカデミー賞歌曲賞(劇中歌「Naatu Naatu」)へと繋がったとのことで、「日本は第二の故郷」と言って再来日を果たしてくれたのが、新作『デーヴァラ』(3/28公開)なのです。

NTR Jr.主演作 映画『デーヴァラ』

今回は赤海と呼ばれる海域を仕切る伝説の男デーヴァラと彼の息子ヴァーラの二役を抑揚をつけて演技分け。海を知り尽くした男として村の仲間たちを率いて海での密輸を成し遂げ、危機的状況に陥れば、海中でバトルを展開するという海の男そのものを熱演。そのカッコ良さたるや、もはや歓声を上げたくなるほどアクロバティック。だってサメにもまたがる不屈の精神を持つ男であり、心配になるくらい長時間、海中に潜れるのだから、インドのアクション映画らしい超人ヒーローは、観ているこちらも勇者になった気分で劇場を後に出来るポップコーンムービーでありました。


イルカにまたがるデーヴァラ

共通点のある海辺のサバイバル映画

こう書いていると、アレ?韓国映画『密輸1970』(2024年:日本公開)に少し似ているじゃないか! あちらは大人の女性のバディモノ。密輸で生計を立てる海人さん達が、敵とアーティスティック・スイミングを駆使したアクションで海中バトルを繰り広げる中、サメが襲ってくるという作品でありました。考えてみるとインド映画『デーヴァラ』は全世界公開が2024年。だから偶然のシンクロ感にちょっと嬉しくなり、『密輸1970』も音楽満載のエンタメ性の高い作品で、インドのアクション大作に近しいダイナミックな表現とエモーショナルなストーリーだったと気づいたぞ!確かに両作品ともジェットコースタームービーが好きな人のツボを押さえたハイクオリティな映画だから世界的にヒットしたんだと納得。

海を舞台にしたバイオレンスアクション映画『デーヴァラ』

しかも『RRR』でトラを素手で止め、水の象徴として勇敢な姿に変化したビームを演じたNTR Jr.さんが、サメを捕え、大海原の神のように海中で戦うデーヴァラを演じるなんて、コラターラ・シヴァ監督の粋な計らいよ。
個人的には村同士の力比べ前に、大群衆の中でNTR Jr.さんを中心に踊られる「Aayudha PooJa」のキメ顔全開セクシーで男臭いダンスが大のお気に入りだったけれど、ご本人も一番好きなダンスだそうな。他にも『マダム・イン・ニューヨーク』(2012年:日本公開)の主演で2018年に54歳で急逝したシュリデヴィ・カプールさんの愛娘ジャーンヴィー・カプールさんとのロマンチックなダンスシーンにもうっとりしたりと、娯楽性の高〜い『デーヴァラ』。ちなみにNTR Jr.さんは息子さん達と映画館でも堪能したそうな。そう、親子でも楽しめるほんのちょっと海賊的雰囲気も持つドラマティックなヒーローアクションとなる本作は、『バーフバリ』『RRR』同様、劇場大興奮型映画なのでした。必見さ!


☑『デーヴァラ』
INFORMATION

3月28 日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー!

インド映画『デーヴァラ』ポスター

    【あらすじ】1996年、クリケットのワールドカップを控えたインドに衝撃が走る。
    巨大犯罪組織による破壊工作の情報を得た警察本部は、それを阻止すべく作戦を開始。
    犯罪組織のリーダーを追って、特別捜査班が凶悪な密輸団の巣窟として恐れられていた“赤海”と呼ばれる村へと向かった。
    困難を極めた捜索の末、捜査班は十数年にわたって凄惨な抗争が続くその土地で、愛と正義を貫いたデーヴァラという英雄とその息子の血塗られた伝説を知ることになる…。

    2024/インド/172分/PG12
    監督:コラターラ・シヴァ
    撮影:R・ラトナヴェール
    出演:NTR Jr.、ジャーンヴィー・カプール、サイフ・アリー・カーン
    配給:ツイン
    © DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVED. © Universal Pictures

    映画『デーヴァラ』公式サイト

    この記事を書いた人

    映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー 伊藤さとり

    SPECIALIST

    映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

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    邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

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