映画『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』のファン・ジョンミンにインタビュー！【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

2015年に大ヒットした警察ものアクション『ベテラン』のシリーズ第2作。
法の網の目をすり抜けた悪人たちを審判する報復殺人。犯人は殺人鬼か正義のヒーローなのかー？　ファン・ジョンミン演じる、家族のことを気遣う暇もなく昼夜を問わず犯罪と戦うベテラン刑事ソ・ドチョルと、パク・ソヌチョン・へイン演じる新人刑事パク・ソヌらの激しいアクションに大興奮間違いなし！
韓国では観客動員数5週連続第1位、750万人突破（2024.12.26/KOFIC調べ）の大ヒット。第45回青龍映画賞最優秀作品賞ほか7部門ノミネート（助演男優賞、技術賞受賞）した『ソウルの春』『破墓／パミョ』『犯罪都市PUNISHMENT』に続く2024年の大作！

伊藤　『ベテラン』も大ヒットを記録して9年ぶりの続編となりましたが、日本でもたくさん愛されている作品の魅力はどんなところでしょうか。

ファン・ジョンミン　悪党を退ける過程を通じて、正義は生きている、ということを感じられる痛快さを感じることができるからではないかと思います。

伊藤　9年ぶりにソ・ドチョルを演じていかがでしたか？　演じる上で、工夫したことはありますか？

ファン・ジョンミン　実際、9年ぶりに戻ってきましたが、観客にとって『ベテラン』に続く『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』は、劇中の時間がそれほど古くない作品のように見せようと努力しました。 例えば、『ベテラン』で着ていた衣装をそのまま着て、『ベテラン』に出演した俳優たちは皆、今作でも時間の流れが感じられないようにつなげて演技しようとしました。

伊藤　今回は、「本当の正義とは」をテーマに、現代社会にも居る動画配信者の私人警察も登場する物語になっていますが、脚本を読んでどう感じましたか？

ファン・ジョンミン　今の時代に大変ふさわしいと思いました。 最近、社会的に多く問題となっているこの事件を監督が正確に見抜かれていたようで、僕もとても興味深かったし、この話が観客にどのように伝えられるのか、そして観客の反応がどうなのか気になりました。

伊藤　アドリブなど、ファン・ジョンミンさんのアイディアはありましたか？

ファン・ジョンミン　ありません。徹底的に台本に忠実でした。

伊藤　熱血漢という印象のソ・ドチョル刑事ですが、ファン・ジョンミンさんに近しい部分はありますか？

ファン・ジョンミン　はい、似ている部分が多いです。 ある事件を引き受けた時、最後まで暴き出してその事件を解決しようとするソ·ドチョルの情熱と執拗さが若干僕と似た部分がある気がします。

伊藤　ご自身は、ソ・ドチョルをどんな人物だと思いますか？

ファン・ジョンミン　非常に火のような性格を持つ妥協のない人物のようですが、一家の大黒柱であり、温かい父親であり、優しい夫である、韓国社会を生きる平凡な父親です。ただ、職業が警察なので、劇中の事件があまりにも荒っぽい仕事をしているので強く見えたようですが、大韓民国のどこでも見られる平凡な人です。

伊藤　チョン・ヘインさんの演技も印象的でした。現場でチョン・ヘインさんと演技について話したりしたことがあれば教えてください。

ファン・ジョンミン　チョン・ヘインさんと撮影するたび、いつも作品について話し合い、分析し、悩みながらお互いのキャラクターを作っていきました。

伊藤　チョン・ヘインさんの魅力はどんなところですか？

ファン・ジョンミン　時にはスポンジのような、白い画用紙のような俳優だと思います。その白紙にどんな絵を描いても無限に描くことができ、自分に与えられた役割をスポンジのように吸収し、まるで自分であるかのように演技する俳優だと思います。

伊藤　カメレオン俳優という言葉が似合うファン・ジョンミンさんですが、役が決まってからどんなプロセスを経て、役になりきっていくのでしょうか。

ファン・ジョンミン　一応最初は台本を通じて役割が人物に対して徹底的に分析し、それと関連した職業の方に会ってインタビューもしてみて、彼らの日常を勉強して分析し、台本に溶かして演技したりします。

伊藤　演技力を高めることで心がけていることを教えてください。

ファン・ジョンミン　演技のためというより、ふだんから、他の作品（映画やドラマ）をたくさん見ています。

伊藤　本作は、冒頭から歌謡曲とカジノ潜入シーンのコントラストが面白いし、その場所の状況を駆使した、階段や雨の中での肉弾戦、廃墟のトンネルでのカーアクションなど、ダイナミックなエンタテインメント作品です。ファン・ジョンミンさんが好きなエンタテインメント性の高い海外の作品はなんですか？　小さい頃に憧れた俳優は誰ですか？

ファン・ジョンミン　ジャンル的要素が優れた『エイリアン』シリーズが大好きです。俳優はショーン・ペンが好きですね。

伊藤　GLOWのテーマは「輝く人」です。ファン・ジョンミンさんはこれまでの映画出演作すべてにおいて輝き続け、日本の観客を魅了しています。ご自身が輝き続ける為に心がけていること、そして「輝いている人」とはどんな人でしょうか？

ファン・ジョンミン　俳優として意識しているのは、自分の役割に対して偽りのない正直な感情を観客に伝えること。輝く人は自分が引き受けた、どんな職業であっても仕事に正直に最善をつくして情熱を吐き出す、一点の恥じのない、そんな人です。