映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』水上恒司×伊藤さとりが初挑戦の声優について、支えられた言葉などトーク【シネマでぷる肌‼】
執筆者:伊藤さとり
輝いているのはどんな人? 気分が上がる曲は?
伊藤 GLOWのテーマが「輝き」なのですが、水上さんが「輝いている」と思う人はどんな人ですか?
水上 常に自分を疑い続けられる人です。すごく苦しくもあり、難しいことでもあるんですけど。自分を疑い続けるって、ほんと紙一重で、間違えば自信のない人に見えたり、周りから面倒くさがられたりすることもある。そういうふうにはなりたくないと、周りに発言や態度を示していくのはまた少し違うので、紙一重の部分を持ちながら、人とちゃんと接することができている人ですかね。それは“健気さ”なのかな。大人になればなるほど、そういった人は少なくなってくるし、でも、それって、全く魅力的じゃないと思うんです。
伊藤 謙虚さも持って、人の意見にも耳を傾ける。自分自身も驕らないっていうことですね。
水上 そうです。すごく大事だけど、僕含め、誰しもができることではない。でも、それを目指したいし、自分もちゃんと意識していたいです。これはもう、自分への戒め、自戒の念も込めて、そう思います。
伊藤 水上さんご自身もすごく気を使っているんですね。
水上 気にしています。25歳の役者を持ち上げる人がいて、それによって、勘違いしていく役者もいる。そういう環境の中だったら、なおさら、自分がポッと言ったことが、たとえ間違っていたとしても、「それやろう」ってなる可能性って、決して低くないと思うんです。だから、今は特に、自分が軽い気持ちで何かを言うこと自体を避けるようにしています。それが本当に正しいことなのかどうか。周りが今、何をしようとしているのか。そこにちゃんと敏感でいたいし、正しいものをちゃんと提示できるようでありたいなと思うので、すごく気にしてます。
伊藤 最後にひとつ。歌もテーマのひとつですけど、水上さんにとって“気分を上げる曲”って何ですか?
水上 ウルフルズの「暴れだす」という曲です。あれを聴くと、ちょっと“暴れようかな”って気分になります(笑)。
みずかみ・こうし 1999年5月12日生まれ、福岡県出身。2018年、連続ドラマ『中学聖日記』(TBS系)でヒロインの相手役として俳優デビュー。ドラマ『MIU404』、大河ドラマ『青天を衝け』、連続テレビ小説『ブギウギ』やドラマ『ブルーモーメント』、映画『死刑にいたる病』など数々の話題作に出演。映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。
ジャンプスーツ14万3000円(カズキナガヤマ/スタジオ ファブワーク TEL03-6438-9575) シューズ(スタイリスト私物)
撮影:梶田麻矢 スタイリング=藤永祥平 ヘア&メイク=Kohey<HAKU> テキスト=杉嶋未来
この記事を書いた人
邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。
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