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美文字で、暮れの元気なご挨拶・オフィスのメモや送り状を書きたい! 萩原季実子先生に教わる「心が伝わる、印象UPの美文字講座」

執筆者:土谷沙織

ギフトにメッセージを添える、クリスマスカードや年賀状を送るなど、大切な人とのやりとりが活発になる冬。印刷されたものでも手書きでひとこと添えるだけで、頂いたほうも嬉しさ倍増。オフィスでも、送り状やメモなど手書きのシーンはまだまだ多い。ペン字講師の萩原季実子さんに美文字の基本を教わります。※GLOW12月号付録のペンや付箋を使っています。

◇正しいペン・万年筆の 持ち方◇

字が苦手な人のペンの持ち方には、こぶしを握りしめるように、小指に力を入れているという共通項があります。ボールペンも万年筆も持ち方は一緒。この機会に正しい持ち方をマスターしましょう!

中指から小指まで一列にそろえる

紙の上で手がスムーズに動いて字が書ける正しいペンの持ち方は、ペンの下側に、中指、薬指、小指を縦一列にそろえ、ぎゅっと握りしめない状態。うまく書けない人の多くは、こぶしを握るように持ち、親指が飛び出ている場合も。自分の持ち方のクセを確認して。

アルファベットの「C」のように持つ

小指側から見ると、小指が大きなCの字のようなカーブになるのが理想の持ち方。小指にぎゅっと力を入れて握ると指の可動域が狭くなり、漢字のトメ・ハネ・ハライやひらがなの曲線などが書きにくくなってしまう。指の力をキープする意味でも書く習慣は大切。

◇紙は体の正面から少しずらす◇

文字を書く時、ほとんどの人が自分の体の真正面に紙を置きます。実は、それこそが美文字を書くのを阻む最初の間違い。字が斜めにゆがんでしまい、文章がガタガタと曲がってしまう原因になりえます。

右利きの人は紙を右側に

文字を書く時は、利き腕の延長線上(右利きなら右側)に紙を置き、目と紙の距離を20cm以上離すのが基本です。体の正面に紙を置いてしまうと、字を書いているうちに文字が自分の手で隠れて見えなくなり、覗き込もうとして姿勢が崩れてしまいます。

◇一筆箋は短いからこそ定番&相手に合わせたひとことをプラス◇

書くスペースが限られている一筆箋は、気軽ですが書いているうちに文字が入りきらなくなってしまうことも。ビジネス、目上の友人、親しい友人など、送る相手との関係性やシーンごとに異なる定番パターンを持っておくと使いまわせて便利です。定番の内容が決まっていれば余った1~2行に相手に合わせた文章を考えるだけ。この例はビジネスシーンを想定しています。

ⓐ相手の名前
ⓑあいさつの言葉
ⓒ結びの言葉
ⓓ自分の名前

3つの法則を守ってバランスよく

法則① いきなり書かない
だいたいの一筆箋は5~6行なので、a~dの定番以外に相手に合わせた文言を1~2行考えるだけ。ノープランで書いてしまうと、内容が入りきらなくなる場合があるので、予め書くことを決めておこう。

法則② 改行して余白を残す
宛名の次の行からは、1文字ぶん下げて余白を残すと好バランス。また、区切りのいいフレーズごとに改行することで、余白がたっぷり残り読みやすくなります。これは一筆箋に限らず、カード等でも同じ。

法則③ 自分の名前は小さめに
相手の名前より自分の名前を控えめに書くことは、一筆箋に限らず手紙、封筒、ハガキの宛名書きにおいても共通のマナー。極端にする必要はありませんが、全体のバランスを考慮して少し小さめが◎。

もらった方が好印象を抱きやすいのは、パッと見た時の紙面が軽やかで美しい、読みやすい一筆箋です。短い文章だからこそ、しっかり想いを伝えられるよう、書くバランスにこだわって。

◇覚えておきたい一筆箋のマナー◇

01 頭語・結語は不要。堅苦しい言葉は避けましょう
書く方ももらう方も気軽さが魅力の一筆箋に、堅苦しい頭語(拝啓など)・結語(敬具など)は似合いません。頭語と結語にあたる部分を、bのあいさつの言葉とcの結びの言葉に変えてやわらかい印象にしています。

02 一筆箋は封筒に入れなくてもマナー違反ではありません
例えばビジネスのシーンであれば、クリアファイルに資料と一緒に一筆箋を挟む、クリップで留めて出すのも一般的な方法です。最近は一筆箋用封筒なども出ているので、状況や好みに合わせて使い分けてみて。

03 一筆箋を使うなら複数枚ではなく1枚で簡潔に
一筆箋で2枚、3枚になるほど書きたいことがあるのであれば、通常の便箋に書き換えた方が読みやすいと思います。一筆箋のよさは、スペース的に書ける内容が少ないぶん、1枚で簡潔に伝えられることです。


●ガイド

萩原季実子先生

ペン字講師。ペン字・筆ペン教室myMOJI(まいもじ)主宰。これまでに3000人以上の字を「大人の字」に生まれ変わらせてきた。

『簡単ルールで突然、美文字が書ける』(ダイヤモンド社)など、著書多数。


監修・字=萩原季実子 撮影=柳原久子 取材・文=土谷沙織 ※GLOW2022年12月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。

この記事を書いた人

女性誌を中心にファッション、ライフスタイル、著名人インタビュー等のページを執筆。30代半ばでヨーロッパに語学留学をして以来、英会話レッスンを日課にしている。

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