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不調の原因は血行だった!健康・美容によくない血行不良を起こす生活習慣

血行のスペシャリスト・赤澤純代先生に、血行についてそもそものしくみや、血行促進がいかに体にいいかを解説してもらいました。自分が血行不良か判定するリストもあるので、チェックしてみてください。


髪や爪、骨や筋肉、眼底までも
血行を良くすることで健康に保たれます

血行をよくすると体中の様ざまなことがラクになります。女性が抱えるめまいや頭痛、不定愁訴、なんとなく調子が悪い、あるいは肌の乾燥や目の下のクマといった美容の悩みも、血行をよくすることで改善した患者さんをたくさん見てきました。 

血管には太い血管、中くらいの血管、細い血管、さらに細い毛細血管がありますが、血行が悪くなると、いちばん細い毛細血管がつぶれて血液が通らなくなります。血液の役割毛細血管の流れをよくするのがカギは体中に栄養と酸素、熱を届けること、そして老廃物を回収することです。ですから、十分な血液が届かず、老廃物をすっかり回収できなければトラブルが起きるのは当然です。それが皮膚表面で起きれば冷え症や肌あれに、臓器で起きれば臓器の働きが低下します。皆さんもご存知の肩こりや腰痛などの体の痛み、痔、生理痛、子宮内膜症なども血行が悪い結果として起きます。他にも髪や爪、筋肉、骨、果ては眼底まで、体のありとあらゆるところは血液によって健やかに保たれているのです。血行がよいことは本当に大切なのです。甘く見てはいけません。 

実際にひどい冷え症の人の皮膚や薄毛で悩む女性の頭皮を専用の機械で見ると、毛細血管の数が少なくなっていたり、血管が縮れて血液が通りにくくなっています。顔の隠れジミが多い人の毛細血管もうねっています。あるいは、シワ、シミ、クマがある場所では異常な血管が増えていることもわかっています。 血行をよくするには体を動かす、ドロドロ血にしない、リラックスできる時間を持つことが大事。一発で血行をよくする方法はありませんので、できることを積み重ねましょう。

体のすみずみまで栄養と酸素を届けているのが血液。その流れが悪くなると、十分な栄養と酸素が届かず、様ざまなトラブルを引き起こす要因に。冷え性や肩こりはなんとなく想像がつくけど、白髪や痔、便秘やイライラも引き起こしてしまう。

【運動不足・乱れた食生活・ストレスを取り除いて】

体を動かさないと血液の循環が悪くなります。じっとしていると心拍はゆっくりでビュッと勢いよく血液を送り出しません。脂質や糖質の多い食生活をしているとドロドロ血になって流れが悪くなるだけでなく、非常に細い毛細血管を通りにくくなります。さらにストレスや睡眠不足などで交感神経が優位になると、毛細血管よりも太い血管がキュッと締まって血液の流れが悪くなります。

☑ひとつでも当てはまれば血行不良に傾いています!

当てはまる項目が多かった場合は、血行促進を頑張ってから改めてチェックしてみてください!

【血行についてもっと知ってみよう!】

Q ダイエットがうまくいかないのも血行のせい?

A 毛細血管のトラブルはむくみ太りにつながる
むくみ太りは血行と関係があります。むくみはリンパ液の他に、動脈と静脈をつなぐ毛細血管から漏れ出した水分が細胞と細胞の隙間に溜まって起きます。血行の良し悪しというよりは、毛細血管の不具合や、毛細血管の数が減っているとむくみ太りに!

Q  女性の方が男性よりも血行が悪いのはなぜ?

A   筋肉が少ないため血液が届きにくく、戻りにくい
一般的に女性の方が筋肉量が少なく、脂肪が多いですよね。筋肉にはたくさんの毛細血管がありますが、脂肪の中の血管数は少ないので血液が通る道が少なくなり、その先に血液が届きにくくなります。さらに、心臓から送り出された血液を循環させて再び心臓に戻すには筋肉のポンプが必要です。筋肉が少なければポンプの力も弱くなります。

Q 薄毛が気になって頭皮マッサージをしているけど改善しません

A  体を動かして、太い血管にもアプローチしよう
マッサージは1日5分だけでもいいですから、毎日続けることが大事です。毎日続けても改善しないのは、心臓と毛細血管の間にある血管の血行が悪くて、頭皮の毛細血管まで血液が届いていない可能性もあります。頭皮のマッサージを続けつつ、太い血管の血行をよくするために体も動かすようにしましょう。

Q  「ゴースト血管」って何? どんな悪さをするの?

A   血行不良になり周辺の細胞に悪影響が
血行が滞ると毛細血管の内腔がつぶれて血液が通らなくなります。血管の組織はそこにあるけれども中に血液が流れていないのがゴースト血管。ゴースト血管の周辺の細胞には血液が届かず、周辺の細胞が障害を受けてゴーストタウンのようになっていきます。

Q  イライラや不定愁訴と血行はどんな関係があるのですか?

A   老廃物回収、ホルモン産生の滞りで起きる
東洋医学で「血」の巡りが悪い状態を「瘀血(おけつ)」といいます。老廃物が溜まっているせいでイライラしやすくなるとされています。また「血の道症」といって、女性ホルモンに関連したすべての病態を指す言葉があります。血液はホルモン産生にも関わっているので、更年期によくある不定愁訴とも関わりが深いのです。

血行のスペシャリスト 赤澤純代先生

金沢医科大学 総合内科臨床教授 女性総合医療センター長 赤澤純代先生

2002年に女性外来を開設し、東洋医学や抗加齢医学を取り入れた治療を行っている。著書に『血流美人』『血管の強化書 破れない! 詰まらない! 澄み切った血液は万病を治す』(ともにワニブックス)など。


イラスト=green K 取材・文=黒川ともこ ※GLOW2023年1月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。

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