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【映画】2/3(金)公開『FALL/フォール』高いところも怖いし人も怖い!【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

執筆者:伊藤さとり

映画 FALL/フォール

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は2月3日公開の『FALL/フォール』。高所に取り残された2人の女性を描いたサバイバルというかもうホラーです。週末の予定に加えてみてください!


地上600mで繰り広げられるサバイバルドラマ

アクロバティックなスリルと伏線回収をこれでもかと楽しめる映画が公開!
まさに映画ファンの心を読み尽くした脚本と演出によるシチェーション・サバイバル、それが『FALLフォール』なのです。

主な登場人物はベッキー(グレイス・フルトン)とハンター(ヴァージニア・ガードナー)という女性2人。冒頭、ロッククライミングを楽しむ若い夫婦と親友が映し出されるんですが、その後すぐに嫌なカメラアングルから予期していた事故が発生。それから一年が経とうとしていたある日、疎遠になっていた親友ハンターがベッキーの前に現れます。「恐怖を味わったらきっと恐怖を乗り越えられる!」そんな言葉に乗せられ、YouTuberでもあるハンターが地上600m(東京スカイツリーは634m)の今はもう使われていないテレビ塔に登る企画に共に挑むことにしたベッキー。クレイジーで刺激好きのハンターのペースにどんどん巻き込まれ、錆びれたテレビ塔の頂上を目指すものの、周囲にはハゲタカ 、更には強風、よく見るとネジは緩んでいるという状態で、想像通り恐ろしい状況を迎えるんですよっ!!

映画 FALL/フォール

こんな友達と居たら命がいくつあっても足りない!という典型がハンター。けれどこの映画のスゴイところは、ただのサバイバルアクションではなく、ほぼワンシチュエーションなのに次から次へとお決まりの難題が降りかかるものの、ハンターの無鉄砲さと時々、豆知識を持っていることでミラクルも起こり得るという展開。そして映画あるあるの心に傷を負った主人公ベッキーの勇気が試され、成長を見ることができるんですね。しかもカメラアングルを使い、親友間の隠された秘密にまで気づく演出もあって、心理状況も実は細やかに描かれている面白さ!

なによりビビるのは、あり得ない映像の連打! いったいどうやってこの画を撮ったのよ? それで調べるとアクション職人の名を持つスコット・マン監督と共同脚本家ジョナサン・フランクのアイデアとこだわりの賜物だということが判明。トム・クルーズ様のイーサン・ハント映画(『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』やらアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞の『フリーソロ』他をヒントに、山に塔の上部を作ったり、20mと1.5mの高さ違いの塔を作ってそこで2人に演技してもらい撮影する手の込みよう! だから瞬きも許されない恐怖を味わう映画なのね。恋の吊り橋効果を狙うにはピッタリの作品なのでカップルで是非、ご覧あれ!

2/3(金)公開『FALL/フォール』

2月3日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2022/アメリカ/106分/

監督:スコット・マン 脚本:ジョナサン・フランク、スコット・マン
音楽:ティム・デスピック 編集:ロブ・ホール 撮影:マクレガー
プロダクションデザイン:スコット・ダニエル
製作:ジェームズ・ハリス、マーク・レーン、スコット・マン、クリスチャン・マーキュリー、デヴィッド・ハリング
出演:グレイス・フルトン、ヴァージニア・ガードナー、ジェフリー・ディーン・モーガン、メイソン・グッディング

字幕翻訳:北村広子/配給:クロックワークス
© 2022 FALL MOVIE PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

FALL/フォール 公式サイト

この記事を書いた人

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー 伊藤さとり

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

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邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

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