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【腸内バランスを整える!】健康になる食べ物・食事「善玉菌が元気でもエサがなければ活動できない!」発酵食品に食物繊維など一緒に摂るべし

執筆者:GLOW編集部

体の細胞の6~7割は腸にあり、腸内環境は免疫機能を大きく左右します。最近では糖尿病や肥満、血圧、自閉症なども腸内細菌と関係していることがわかってきました。今回は、腸内環境を整える食事や食材について。マリーゴールドクリニックの山口トキコ先生に伺います!


【腸内の善玉菌は50代から減っていく、今日から腸活に力を入れて!】

腸内細菌の研究は発展途上でわかっていないことも多い、としながらも腸内を酸性に保つとよい、と語る山口先生。「腸内を酸性に保つと免疫機能に働きかけるということ、乳酸菌は腸を酸性に傾けることもわかっています。腸内環境をよくする食べ物としては善玉菌の代表格である乳酸菌やビフィズス菌を摂ること。そして、善玉菌を元気にするものと善玉菌のエサになるものを摂ることが重要です。善玉菌のエサが入って来なければ飢餓状態になって善玉菌が活躍できません。エサは食物繊維やオリゴ糖が有名ですね。でもそれだけではなく、糖質とナイアシン(ビタミンB群の水溶性の成分も重要。日本人の腸内細菌は穀類の糖質に対して非常に反応がよいことがわかっているので、腸のためには適度な糖質を摂ることも賢明。また、魚や肉にも含まれるナイアシンは乳酸菌の活動をバックアップしてくれます」(山口先生)

☑善玉菌を元気にする食材

乳酸発酵させた食品は腸にいる乳酸菌をサポート。腸にたどり着けずに途中で死んだ乳酸菌は腸の掃除をするとも言われています。日本伝統の発酵調味料(みそ、しょうゆ、酢など)や納豆は便通をよくして腸内環境を整えることもわかっています。ヨーグルトやキムチも◎。

☑善玉菌のエサとなる食材

善玉菌が元気になってもエサが無ければエネルギーが枯渇して活動できない。善玉菌を元気にする食べ物と一緒に食べると効率よく腸内環境を整えてくれます。

食物繊維:水溶性食物繊維1に対して不溶性食物繊維2の割合がベスト。アボカドとキウイは不溶性と水溶性の食物繊維が豊富です。

糖質:オリゴ糖は難消化性で腸内で食物繊維と同様に働きます。日本人の腸内細菌と相性のいい雑穀や白米などの穀類の糖は適度に摂って。

ナイアシン:乳酸菌の働きを高める水溶性ビタミンのナイアシンは魚類や肉類に多く含まれます。粘膜でできている腸壁を健康に保つ作用も。

善玉菌を元気にする食べ物、エサになる食べ物は、毎日食べれば腸内環境が万全、というわけではありません。できるだけ多様な食べ物を食べることが大切です。好きな物ばかりや単品メニューで済ませずに偏りのない食事がバランスのよい腸内環境を作ることにつながります」(山口先生)。例えば魚介や野菜にオリーブオイルをふんだんに食べる地中海料理、日本人の腸と相性がいい穀類を適量、魚介や大豆製品、野菜やきのこ、海藻に肉類も適量などはバランスがいい。

☑水分補給も大事

比較的軽度の便秘を解消し、腸内環境をよくするには水分補給が効果的。1日に1.5~2リットルの水を飲むのが目安。トイレが近くなるから、と水分補給を控えるのは禁物。そういえば、ウェブ担当はいつものお茶を水オンリーに変えた時期は快便でした!

【便やおならは腸内環境のバロメーター】

「便の状態やおならの臭いに注意を向ければおおよその腸の状態がわかります。腸内環境がよければ便はするっと出て臭いもそれなり。腸内環境が乱れれば便やおならがひどい悪臭に。裏返せば便秘知らずの食生活をしていると腸内環境を良く保てるということになります」(山口先生)

食べた物の栄養は主に小腸で吸収され、大腸が水分を吸収して便を作ります。便はバナナのような硬さで水に浮き、臭いも少ないのが理想。悪臭が発生するのは便が長く腸に溜まり、善玉菌が硫化水素を発生したり、ウェルシュ菌が増えるから。

[教えてくれたのは]

マリーゴールドクリニック 院長:山口トキコ先生

肛門科と消化器科の病気を診るだけでなく、最新の医学情報にも精通し、予防医学のための情報発信も行っている。日本大腸肛門病学専門医。

マリーゴールドクリニックのサイトはこちら


イラスト=MAIKO SEMBOKUYA 取材・文=黒川ともこ ※GLOW2022年2月号より

この記事を書いた人

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