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【映画】7/7公開『交換ウソ日記』 高橋文哉にドキドキ、間違って進んでいくラブレターの行方にもドキドキ!【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

執筆者:伊藤さとり

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は『交換ウソ日記』。高校生の恋愛、机の中に入っているラブレター、相手が間違ったまま重ねていく言葉のコミュニケーション、今をときめく高橋文哉さんとドキドキしかない作品です!


大人も楽しい王道ティーン恋愛映画

二度見ると美味しい!? ウソのような大人も楽しい高校生の恋愛映画を発見。それが『交換ウソ日記』という一見、王道の胸キュン映画なのであります。この作品はTikTokでもバズった櫻いいよさんによる累計65万部突破のティーンに人気の恋愛小説が原作となっています。

何故、大人の私たちがティーンの映画を楽しんで観られるのか?

ポイントとしては、まずは「仮面ライダーゼロワン」で子供からママ達までハートを射抜いたイケメン、高橋文哉さんが主演ということ。学校イチのモテ男・瀬戸山潤という役で登場するんですが、色んな女の子の告白を「ごめん、好きな子がいるから」と断ってしまう実直男子で冒頭から既に好感度UP! しかも胸キュン映画お決まりの、スクリーンから私たちに話しかけるかのようなカメラ目線のドアップショットもあって、至近距離のイメチェン、メガネ姿も無駄にあって、観ているうちに恥ずかしさからソワソワしてくるのですよ。

しかもそんな彼が書いた相手先間違いのラブレターを偶然手にしてしまったことで、なりすまし交換日記を始めてしまうヒロインの桜田ひよりさんの演技は、昔、友達に居たよね、と思えるほどナチュラル。頼りなさにほどよいイライラを覚えつつ、気づけば母心が湧いて「頑張るんだ!」と応援してしまうんだから、ホントすごい原作ですよ。この映画は人の気持ちを考えすぎて自分の意見を言えない大人しい黒田希美の成長物語であり、友達が大好きな純粋無垢な女の子だからこそ一味違う恋愛&友情モノとして同性からも間違いなく好感度の高い作品でありました。

もう一つのポイントが2人の感情の変化を知った時に、改めて見直したくなる伏線回収映画であること。2人だけで会話するシーンでは突然、頬を触られたり、頭を撫でられたりと好きな人にされたらドキッとする行動が盛り込まれているんですが、実はこれにもちゃ〜んと意味があるので、一度見たらもう一度見たくなる仕掛けが詰まった繋がり重視な作品。さらに二人だけの関係ではなく、友達3人を巻き込んだ群像劇でもあるので、あの頃の青春を感じずにはいられない甘酸っぱいシチュエーションも多数あり。遊園地での2対3のデートではキュンとしながら胸が締め付けられ、学校帰りに友達同士でスウィーツを食べる場面では懐かしさも覚えました。

そして一番のポイントは、黒田希美は言葉で伝えるのは下手でも心にズドンと刺さる文字で想いを表現したりと、実は「伝えること」の大切さを教えてくれる映画だったこと! それだけでなく放送部なので選曲選びで彼女のギャップが浮き彫りになるんですが、黒田希美の好きなアーティストは「マキシマム ザ ホルモン」という意外性も。他にも音楽プロデューサー蔦谷好位置さんの変名プロジェクト・KERENMIと、Z世代に人気のあたらよのコラボレーション「KERENMI&あたらよ」による書き下ろし主題歌「ただ好きと言えたら」や、様々なジャンルのアーティストの曲が劇中流れるので耳でも彼らの色とりどりの感情を楽しめる工夫に満ちた作品ですよ。オススメ! 
――伊藤さとり

☑7/7全国公開『交換ウソ日記』

【あらすじ】「好きだ!」とだけ書かれた手紙が、移動教室の机の中に入っているのを見つけた希美(桜田ひより)。送り主は、学校イチのモテ男子・瀬戸山(高橋文哉)。
イタズラかなと戸惑いつつも返事を靴箱に入れたところから、ふたりのヒミツの交換日記が始まるが、実はその手紙や交換日記は希美の親友・江里乃(茅島みずき)宛のもの。勘違いから始まった交換日記だったが、江里乃からの返事を心待ちにする瀬戸山を目の前にすると本当のことが言い出せず、つい「江里乃」として、そのままやり取りを続けてしまう。
いつも空気を読みすぎてしまう話し下手な希美は、自分とは真逆の、思ったことをはっきりと口にするド直球な瀬戸山を最初は苦手に思っていたが、日記を通して意外な一面や趣味などを知ってどんどん惹かれていく。
一方、友人に誘われて行ったカラオケで瀬戸山とばったり会ったことをきっかけに、希美本人としても瀬戸山と話す機会が増え、距離が近づく。江里乃、瀬戸山の親友・米田(曽田陵介)、親友の優子(齊藤なぎさ)たちとともに遊びに行った遊園地、2人だけの勉強会、バスケの特訓好きになってはいけない相手なのに、希美の瀬戸山への想いと切なさは募っていく。
「とりあえず、ちゃんと言葉にすれば?」という瀬戸山の言葉によって、少しずつ自分の素直な気持ちを周囲に伝えられるようになった希美。そんな彼女の些細な変化に、以前希美が付き合っていた先輩の矢野(板垣瑞生)も気付き、希美を再び意識するようになる。日記の中の「江里乃」としての自分と、「希美」としての自分。2つの関係をいつまでも続けるわけにいかないと頭では理解しているが、打ち明けるきっかけをますます失ってしまう希美。そしてついに、瀬戸山から届いた日記には「お前、誰?」という一言が。ウソから始まった切ない片想いは、思いもよらない展開を辿っていく――。

 2023/日本/110分
監督:竹村謙太郎 脚本:吉川菜美  音楽:遠藤浩二
出演:高橋文哉 桜田ひより 茅島みずき 曽田陵介 齊藤なぎさ/ 板垣瑞生
原作:櫻いいよ「交換ウソ日記」(スターツ出版文庫)
主題歌:「ただ好きと言えたら」KERENMI & あたらよ(A.S.A.B)
製作:「交換ウソ日記」製作委員会
配給:松竹

©2023「交換ウソ日記」製作委員会

映画『交換ウソ日記』オフィシャルサイト

この記事を書いた人

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー 伊藤さとり

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

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邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

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