【更年期】高尾美穂×板谷由夏　更年期の女性がしたいこと、心構えをトーク！ Part.2「がんばりすぎず手放すこと、周りに知ってもらうことが大事」

宝島社の女性誌11誌、男性誌2誌の計13誌合同によるフェムテック・フェムケア啓発プロジェクト「もっと話そう！　Hello Femtech」から、高尾美穂先生と板谷由夏さんのトークをお届け。Part2は、更年期真っ只中の女性が心と体を軽くするための方法について。
※Hello Femtechでは、正しい知識を身につけ、年齢・性別問わず言葉にして話すことを大切に考え、企業向けセミナーや読者向けインスタトークライブを定期的に開催中。

高尾　更年期の女性は、多くの役割を担っていますよね。家庭では育児に追われていたり、仕事では責任のある立場だったり、なかには親の介護をしないといけない人も。一日24時間のうち、自分に使える時間があまりないという場合が多い。その結果、知らず知らずのうちに、ストレスを抱え込んでいるんです。だからまず、減らせるストレスは減らすことが大事。たとえば、明日、出張なんだけど、台風で飛行機が欠航になったらどうしよう？ みたいな時。それって、私たちが心配しても結果は変わらないでしょう？ 　自分ががんばったら結果を変えられるものに対してはがんばった方がいいけれど、がんばっても結果が変わらないものに対しては「手放す」こと。実は更年期の症状は、「こうでなくちゃ」「こうあるべき」という考えが強い人の方が重くなる傾向があることがわかっています。皆まじめなんです、本当に。

板谷　日本の社会で役割を持っている女性は本当にまじめですよね。加えて、私たち世代は幼い頃から努力しなさい、がまんしなさい、と教育を受けて育ったために「生理前だから」「更年期だから」と自ら言い出しにくい。そうしてストレスを溜め込んで、さらに症状を悪化させている気もします。私たちは全員、症状が出やすいと思っていいのかなって。自分を含め、もっと「今は大変な時期だから」と言い訳をしていいと思うんです。

高尾　男性の意識が変わることも大事。調子が悪そうな女性を見た時、女性は「生理前なのかな？ 更年期なのかな？」と想像力が働くから「機嫌が悪い」のかも、と考えられる。ところが男性の多くは、想像する材料さえも持っていないでしょう？ 男性が気づくには、家庭が大事。妻から夫に伝える、娘から父に伝える……、自分を守るためには、男性にも知ってもらうことから始めなくちゃ。

板谷　私も息子たちに伝えています。今後どうなるかわからない、そうなったらどうしようという不安もストレスになるから、私たち自身も自分をもっと知らなくちゃ。

高尾　これから先、起こることは事実としてわかっているし、ホルモン補充療法や漢方薬など症状を改善する対策はあるわけです。選択肢を知っておけば、不安やストレスは手放せる。また、毎日使う「言葉」も大事。発した言葉を最初に聞くのは自分だから。選ぶ言葉を前向きに変えること、それが、これからの人生をハッピーにする第一歩だと思います。

【板谷由夏さん】1975年、福岡県出身。俳優として活躍するかたわら、ファッションブランド「SINME」のディレクターの顔も持つ。主演映画『夜明けまでバス停で』では「2022年度全国映連賞」女優賞、「第32回日本映画批評家大賞」主演女優賞を受賞。出演作、Netflixシリーズ『離婚しようよ』が好評配信中。テレビ朝日系『シッコウ‼　～犬と私と執行官～』（テレビ朝日系）にも出演中。
ニット2万4200円、Tシャツ1万3200円（ともにアダワス）、パンツ3万2780円（サージ／すべてショールーム セッション）　イヤーカフ〈上〉7万5900円、〈下〉3万9600円（ともにヒロタカ／ヒロタカ 表参道ヒルズ）

【高尾美穂先生】イーク表参道副院長、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。診療の傍ら、NHK『あさイチ』、stand.fm「高尾美穂からのリアルボイス」への出演をはじめ、メディアやSNSで情報を発信。近著『更年期に効く 美女ヂカラ』（リベラル社）など著書多数。