【神崎恵が今思うこと】「シングル＝恋人募集中って誰が決めたの？　今は恋愛はお休み」【連載Vol.2】

昨年末、わたしは離婚をしてシングルマザーになりました。その途端、自分の意思に関係なく恋愛市場に戻った扱いというか、女として品定めをされていると感じることがあり、すごく違和感を覚えました。シングル＝恋人募集中、って誰が決めたのでしょうか？ きっと離婚経験がある方は、似たような苦い思いをされた方もいらっしゃるのではないか、と思います。　わたしは何に関してもそうですが、人から決めつけられるのが苦手です。だからわたしも先入観や自分の価値観を人に押しつけないよう、なるべく気をつけています。ひとり＝寂しい、というのは固定観念にすぎず、恋愛から遠ざかっていても毎日をハッピーに過ごしている人はたくさんいるはずです。逆を言えば、誰かと一緒にいても埋められない寂しさを感じる時だってある。人の心ってどんな場合でも単純に割り切れないものだと思います。だから、恋愛中でも、ひとりでも、堂々と自分らしくしていればいいんじゃないかな、と思うのです。

正直、今のわたしは恋愛モードではないのですが、仮定でお話しすると、〝平常心を保ってお互いを尊重し合える関係〞が理想です。溺れるような恋愛も楽しいと思うのですが、この年でちょっとそれはしんどい（笑）。子育てと仕事が自分にとっての最優先事項ですから。

わたしの友人に、一度サヨナラした彼と復縁した人がいます。そういう復活愛も大人ならではですよね。別にゼロから始めなくてもいいというか、いろんな恋愛の形があるということを考えさせられるし、何より彼女自身がすごく幸せそう。いい恋愛をしている友人を見ていると、こちらまでパワーをもらえますし、静かに見守りたいと思っています。　

恋愛中かどうかに限らず、愛を注ぐ対象を持つ女性にはラブストーリーを感じ、素敵だなと思います。だから、幾つになってもときめく気持ちを大事にしたい。そういう意味でもわたしの推しメンは、3人の息子たち。最近は、彼らがみんな出かけて家にひとりでいる時、ふと「あ、近い将来こういう時間がふつうになるから、ひとりの過ごし方を考えなきゃいけないな」と、老後や人生の終わりにうっすら思いをはせることがあります。きっとその前に、親の介護もあるし……、などとぐるぐる考えていると恋愛なんて、という感覚に陥ります。でも、ファッションデザイナーの島田順子さんにお会いした時「恋に落ちるのなんて誰にも予測できないこと。だから〝もうない〞って決めつけない方がいいわよ」とおっしゃっていただき、なんだか温かい気持ちになりました。友人の恋バナや晩婚の話題に触れるとなんとなく元気が出るのは、やっぱりいくつになっても恋愛は、パワフルでキラキラと輝いているものだからなのでしょうね。

ジャケット3万9600円、パンツ3万1900円（ともにハイク／ボウルズ）　タートル1万8700円（エイトン／エイトン青山）　スカーフ3万7400円（バイ マレーネ ビルガ－／S＆T）　ピアス7560円（アビステ）　メガネ（スタイリスト私物）