【2023年ベスト映画決定!】『屋根裏のラジャー』『美しい彼』など、伊藤さとりが選ぶテーマ別5本!【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】
執筆者:伊藤さとり
毎週水曜日にお届けしている伊藤さとりさんのシネマレビュー。2023年の締めくくりは、本年度ベストを紹介。公開中から、DVDなどで見られるものまで、テーマ別に紹介! ※情報は本記事公開時点のものになります。 最新の内容をご確認ください。
【笑いたい時のベスト1!『リバー、流れないでよ』】
「パワースポットとして人気の貴船神社周辺を舞台に2分間をタイムループするお話を思いついた劇団「ヨーロッパ企画」の日頃のコンビネーションだから成立する、全く飽きないヒューマンSFコメディ。繰り返す2分間の世界からどうやって脱出するのか。旅館の従業員から客まで一丸となって奮闘するものの、切羽詰まった状況でずっと顔を合わせていればイライラだって生まれるし、狂気の沙汰を起こす人だっている! 笑いあり、サスペンスあり、ホラーな展開だって起こってしまう驚きのストーリーにアナタの脳もグルグルし、笑い泣きすることでしょう」(伊藤さん)
『リバー、流れないでよ』
Blu-ray発売中
【作品紹介】舞台は、京都・貴船の⽼舗料理旅館「ふじや」。仲居のミコトは、別館裏の貴船川のほとりに佇んでいたところを⼥将に呼ばれ仕事へと戻る。だが2分後、なぜか再び先ほどと同じく貴船川を前にしている。「・・・・︖」ミコトだけではない、番頭や仲居、料理⼈、宿泊客たちはみな異変を感じ始めた。ずっと熱くならない熱燗。なくならない〆の雑炊。永遠に出られない⾵呂場。⾃分たちが「ループ」しているのだ。しかもちょうど2分間︕ 2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまう。そして、それぞれの“記憶”だけは引き継がれ、連続している。そのループから抜け出したい⼈、とどまりたい⼈、それぞれの感情は乱れ始め、それに合わせるように雪が降ったりやんだり、貴船の世界線が少しずつバグを起こす。⼒を合わせ原因究明に臨む皆を⾒つつ、ミコトは⼀⼈複雑な思いを抱えていた―――。
劇団「ヨーロッパ企画」と下北沢の映画館・トリウッドが手を組んだ話題の作品。現在も下北沢トリウッドで劇場公開中。京都の貴船神社、旅館「ふじや」が撮影に全面協力している。
2023年/日本/86分
原案・脚本︓上⽥誠 監督・編集︓⼭⼝淳太 音楽:くるり
出演:藤⾕理⼦
永野宗典 ⾓⽥貴志 酒井善史 諏訪雅 ⽯⽥剛太 中川晴樹 ⼟佐和成
⿃越裕貴 早織 久保史緒⾥(乃⽊坂46)(友情出演) 本上まなみ 近藤芳正
配給:トリウッド 友情配給:東宝ライツ事業部
Blu-ray発売中! 本編にくわえ、メイキングやメイキングコメンタリーを収めた映像特典も満載! 6600円(税込み)
© ヨーロッパ企画/トリウッド2023
【泣ける映画ベスト1!『屋根裏のラジャー』】
「スタジオポノック制作のファンタジーアニメーションは、まさかの大人も泣ける大道の感動作。イマジナリーフレンド(想像上の友達)と脳内でいろんな冒険をする女の子と、シングルマザーとして忙しく毎日を送るお母さんの間に潜む溝を埋めるイマジナリーフレンドのラジャーが、彼女の身に起こったあることから存在を忘れられないよう奮闘する物語。アニメだから可能になる子どもの無限の想像力から生まれる変化する世界は眩いほど美しい。小さい頃の自分を思い出し涙、そして親になって子どもの寂しさに気づけなかった自分に涙、刺さるセリフに涙なのです」(伊藤さん)
『屋根裏のラジャー』
12月15日より全国東宝系にて公開中!
【作品紹介】彼の名はラジャー。世界の誰にも、その姿は見えない。なぜなら、ラジャーは愛をなくした少女の想像の友だち《イマジナリ》。
しかし、イマジナリには運命があった。人間に忘れられると、消えていく。失意のラジャーがたどり着いたのは、かつて人間に忘れさられた想像たちが身を寄せ合って暮らす《イマジナリの町》だった―。残されたのは無力な自分と、ひとりの少女の記憶だけ。「屋根裏の誓い」の真実が明らかになる時、ラジャーは、大切な人と家族の未来を懸けた最期の冒険へと旅立っていく。
スタジオジブリを退社後、プロデューサーの西村義明が立ち上げたアニメーション映画スタジオ、スタジオポノックの6年ぶりの長編アニメ。監督は1960年代からアニメーターとして活動し、スタジオジブリで活躍した百瀬義行。
原作: A.F.ハロルド「The Imaginary」(「ぼくが消えないうちに」こだまともこ訳・ポプラ社刊)
監督: 百瀬義行
プロデューサー:西村義明
出演:寺田心、鈴木梨央、安藤サクラ、仲里依紗、杉咲花、山田孝之、高畑淳子、寺尾聰、イッセー尾形
制作:スタジオポノック
製作「屋根裏のラジャー」製作委員会
Ⓒ 2023 Ponoc
この記事を書いた人
邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。
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