料理家・榎本美沙さん × ひろさんの夫婦の、妻をサポートするパートナーシップ 「会社員だった時、料理家への道を後押ししてくれたのは彼」
執筆者:土谷沙織
私生活でのパートナー、仕事のパートナー、それぞれと良好な対人関係を築くことは、生きる幸せにつながります。人生100年時代、長い人生を前向きに生きるためにも40代の今こそパートナーシップについて見直してみては? 今回は発酵料理レシピやYouTubeが人気の料理家・榎本美沙さん × 旦那様のひろさんにお話を伺いました!
料理家への道を後押ししたのは夫からのアドバイスだった
美沙
結婚当時、わたしは会社員だったのですが、本当は自分が好きな料理関係のことをもっとやりたいのに……と、モヤモヤしながら働いていたんです。そんなわたしを見ていた彼が、〝 だったら、料理に本腰を入れなよ。料理学校に行ったら? 〟と言ってくれた。あの時は、すごくありがたかったです。
ひろ
やりたいことと仕事がマッチしなくて悩んでいたのは知っていたし、彼女は好きなことをやっている方が生き生きするタイプ。僕の中にも迷いはありませんでした。
美沙
そんな中で、夫婦で工程を分担して一緒に作るというテーマのサイト『ふたりごはん』を8年前に始めました。
ひろ
もうひとつ、動画チャンネル『榎本美沙の季節料理』は、5年目に突入したね。
美沙
動画チャンネルは、撮影と編集は夫、レシピ開発と調理はわたし。基本的にはわたし発信だけど、あまり料理をしない彼の視点が役立っています。撮影中に〝 それ、なんでそうするの? 理由を言った方がいいよ 〟と言われて、説明し直したりすることもしょっちゅう。彼のアドバイスは的確なので、素直に受け入れた方が、たくさんの方のためになると最近気がつきました(笑)。
転機と重なったMr.Childrenのライブ
ファンだったMr.Childrenのライブに訪れた2015年。4人の奏でる音に心を動かされたことで、料理の道に進む気持ちを固めた。
2ヶ月の育休で子育てをサポート
8月末に生まれたばかりの長男。おふたりは、1日おきの当番制で夜間の3時間おきの授乳を分担しているそう。
「わたしが料理の仕事をがんばることは、ふたりの夢なのかも」
美沙
彼は会社員ですから、動画撮影&編集はもっぱら週末です。
ひろ
休みがないと言えばそうなのですが、元々カメラが好きなので趣味の範疇でもあり、楽しくやらせてもらっています。
美沙
いちばんのモチベーションは、〝 レシピを真似て作ったら家族に喜ばれました 〟など、チャンネル登録者の方々から届く温かいコメント。すごく励まされますし、それを夫婦で共有できることがしあわせです。
ひろ
本当にそうだね。僕の役割として、情報収集をしたり、アナリティクス分析をすることで、どうしても陥りがちな〝 偏り 〟をなくすことができたらいいな、という思いもあります。僕はあくまで彼女に、料理家としてがんばってほしいので、そのために動画制作を手伝っている、というスタンスです。
美沙
わたしが料理家の仕事をがんばることは、わたしだけでなく、夫婦ふたりの夢なのかも。これからは育児の経験もいかしながら、彼にサポートしてもらって、料理家としてもステップアップしていきたいです!
夫は昔から縁の下の力持ちタイプです
榎本美沙さん
料理家。発酵マイスター。1988年生まれ。新刊『おかずいらず、手間いらず。ひと皿満足スープ』(KADOKAWA)が好評発売中。
いつしか料理は僕にとっても興味のある分野に
ひろさん
会社員。1983年生まれ。趣味は野球観戦。長年に及ぶ榎本さんからの影響で、料理ができないながらも好きになっているそう。
夫のサポートで輝く パートナーシップのポイント
- 役割分担をはっきりさせる
- アドバイスには素直に耳を傾ける
- 自分とは異なる発想や視点を歓迎する心を持つ
撮影=柳原久子 取材・文=土谷沙織 ※GLOW2022年12月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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