更年期の「HRT」乳がんリスクは? 高尾美穂医師が不安を解消する最新事情をズバリ解説
執筆者:GLOW編集部

「更年期」という言葉に、なんとなくネガティブなイメージや不安を抱いていませんか? しかし、知れば知るほど更年期は怖くない⁉ 実は今、「医療」も「社会」も「意識」も大きく進化し、治療の選択肢や常識は日々アップデートされています。今回は、多くの女性の悩みに寄り添う産婦人科医・高尾美穂先生に、HRT(ホルモン補充療法)のリアルや、40代・50代が正しく知っておきたい更年期の「今」をQ&A形式で伺いました。
目次
産婦人科医・高尾美穂先生に聞く!正しく知っておきたい更年期の「今」
Q1 更年期の症状を自分ではあまり感じず、 仕事や家事もこなせていたら産婦人科で受診をしなくてもいいですか?
閉経を挟む10年間は、自覚症状の有無にかかわらず、女性は誰しも、女性ホルモンが揺らぎ、その影響を受けています。自分は気づいていない不調が、じつはまわりに影響を与えている可能性も。人生のフェーズが変わる「変化の時期」と捉え、これからの人生を前向きに過ごすためにも、一度、診療を受けることをお勧めします。
Q2 HRTは乳がんのリスクが気になります。現在リスクはどのように考えられていますか?
HRTが世界的に行われる前、2000年代前半に、大規模な臨床試験によって、そのリスクの可能性が指摘されたことから、「5年以内」の投与期間が推奨されていましたが、臨床研究が積み重ねられ、今回のガイドライン改定で制限の表記が削除されました。治療中、既往症の方を除いて、有効な治療方法であるとされています。
Q3 HRTには飲み薬・ 貼り薬・塗り薬などがありますがどのように使い分けるのでしょうか
HRTはまず飲み薬からスタートしたのですが、血栓症のリスクを考慮して、今では、経皮吸収の貼り薬(シール)や塗り薬(ジェル)が主流になりました。基本的にはリスクの少ない貼り薬、塗り薬が推奨され、皮膚が弱い人や、汗で吸収が悪く効果が得られないと感じる方には、その代替の選択肢として飲み薬があると考えてください。
Q4 「今は元気だから大丈夫」と思っている40・50代女性が今から意識しておくべきことは何でしょうか
「今は元気だから」と何も変えずに過ごすのではなく、40・50代は一度、自分の健康状態や生活習慣をチェックしてみることが大切です。睡眠、食事、運動、体重、飲酒など、これまで当たり前だった習慣を見直すタイミング。更年期の症状がある・ないにかかわらず、この時期をこれからの健康を考えるチェックポイントと捉えてほしいですね。
Q5 日進月歩の更年期治療で今注目されていることは何でしょう?
「インフルエンザにかかったらこの薬を早めに使うと楽になる」のように、HRTが更年期に対する選択肢のスタンダードになれば、更年期が「不安」「怖い」と大騒ぎせずにすむ時代がもうじきやってくるはず。一方で、以前からホルモン製剤以外の治療方法を望む声も多いのは事実。ここ数年の間に、非ホルモン製剤も選択肢に加わると思います。
【教えてくれたのは】
産婦人科医 高尾美穂先生
診療を最優先にしつつ講演会や書籍出版、メディア出演など幅広く活躍。更年期や女性のライフステージに応じた健康サポートに注力。
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取材・文=松本千登世 イラスト=二階堂ちはる ※GLOW2026年11月号より
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