【頻尿・尿もれ対策】トイレが近くなった?原因は女性ホルモンの減少!【ヴィーナスちゃんがゆく!】
執筆者:ヴィーナスちゃん
更年期(ヴィーナス)期の女性が知りたいことや疑問を、特命調査員ヴィーナスちゃんが調査!
今回は頻尿・尿もれの改善について。頻尿・尿もれの原因は年齢のせいとか、出産したからと思っているかもしれませんが、女性ホルモンが減ることも関係していることがわかってきたそう。日常のケアや注意点、クリニックで受けられる治療について、「聖順会 ジュノ・ヴェスタ クリニック八田の八田真理子先生」に教えていただきました。
※GLOW世代特有の体の変化期である更年期を「ヴィーナス期」と名付けています。
更年期の尿トラブルには女性ホルモンも影響!
ヴィーナスちゃん(以下V)
更年期は尿トラブルが多いような気がします。
八田先生(以下八)
更年期以降の女性のほとんどはくしゃみやジャンプでの尿もれを経験していますが、女性ホルモンが減ることも影響しています。最近では腟や外陰部の不快症状、頻尿や尿もれ、性交痛などが合わさった病態(G S M)が注目されています。
V
泌尿器にも影響がある!?
八
女性ホルモンが減ると外陰部がやせたり、骨盤底筋群も弱ってきますから、閉経後の全女性は尿トラブルが起きやすくなります。
V
漏れなくするためには?
八
骨盤底筋を鍛えること。体重管理も大切です。太ると膀胱を圧迫するし、やせると骨盤底筋が衰えやすくなるのでBMI22〜23くらいのちょい太が理想。尿もれパッドを長時間つけてガードルやスパッツで締めつけるのもNG。外陰部がやせていると尿道口が刺激されてトイレが近くなります。
V
治療もできるんですか?
八
内科や婦人科、泌尿器科などでは頻尿を予防する内服薬も処方します。女性の尿トラブルや骨盤臓器脱を診るウロギネ外来というものもあります。HPを参考にして希望する治療を受けられる病院を探すことも大切だと思います。
☑フェムゾーンに意識を向け、心地よく過ごすための保湿ケア
「閉経後は腟内の細菌叢がアルカリに近づくのでケアが必要です」(八田先生)。乳酸桿菌を配合し、腟内を適正なpHに導き、外陰部を保湿。anowa 5Dジェル 1.5g×16個 4950円(DKSH MESジャパン)
摩擦や刺激で乾燥するフェムゾーンを肌トラブルから守る保湿クリーム。「お手入れすると活性化しますよ」(八田先生)。インティメイト モイスチャライジングクリーム 30g 4950円(Waphyto)
☑座るだけで骨盤底筋をトレーニングできるチェア
チェアに内蔵した4つのエアバッグがふくらんで、座るだけで骨盤底筋にアプローチ! エイミーフェムエア スイング 2万6400円(ツカモトコーポレーション)
☑クリニックで受けられる治療
ダイレクトに尿もれを治療する薬の他、骨盤底筋を鍛える、レーザーでハリを取り戻す、女性ホルモンを補うなど、悩みに応じた治療が受けられる。
●内服薬
膀胱を広げて頻尿を改善するβ3刺激剤や抗コリン剤のほか、切迫性尿失禁の治療薬なども。以前の抗コリン剤はのどの渇きなどの副作用があったが、最近では改善されている。
●炭酸ガスレーザー治療(モナリザタッチ)
腟壁の弾力を取り戻す作用のある炭酸ガスレーザーを外陰部に当てると、排尿障害や尿もれに効果があることがわかっている。主に婦人科などで受けられる。
●HRT(女性ホルモン補充療法)
ダイレクトに尿もれを改善しないが、女性ホルモン減少による外陰部の乾燥や不快症状を緩和する効果は期待できる。減った女性ホルモンを補充することで、GSMの改善に役立つ。
●骨盤底筋トレーニングチェア
非常に強い磁気刺激で骨盤底筋を活性化。服を着たまま30分座るだけ。八田先生のクリニックでは、週に1回のペースで6回程度受けて尿トラブルが改善している例もあるそう。
☑ヴィーナスちゃんの調査結果
出産していなくても尿トラブルが起きるの!?と思っていた謎が解けました! 女性ホルモンが減れば女性器まわりに影響が出るのはあたりまえ。シモの悩みが深くならないうちに骨盤底筋を鍛えて、お手入れも続けていきます!!
【ガイド】
聖順会 ジュノ・ヴェスタ
クリニック八田
八田真理子先生
思春期から老年期までの女性の診療・カウンセリングを行う日本女性医学学会専門医。女性の尿トラブルの改善にも力を入れている。
イラスト=二階堂ちはる 取材・文=黒川ともこ ※GLOW2023年3月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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