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更年期と仕事の両立は体の知識を持ち、我慢しないことが大事【ヴィーナスちゃんがゆく!】

執筆者:ヴィーナスちゃん

更年期(ヴィーナス)期の女性が知りたいことや疑問を、特命調査員ヴィーナスちゃんが調査! 今回は仕事と更年期の両立について。更年期障害が原因で仕事を辞めた女性が1割、仕事を辞めることを検討した女性も含めると2割もいる現実。NHKと共同調査を行った有馬牧子先生にその背景と、深刻な事態に陥らないための自衛策をお聞きしました。
※GLOW世代特有の体の変化期である更年期を「ヴィーナス期」と名付けています。

体についての知識を持つこと、我慢しないことが重要

ヴィーナス期と仕事に関するデータ①

更年期症状が原因で職場で抱えた問題

「職場の人に迷惑をかけたと思った」とはいかにも謙虚(涙)! でも、男性が更年期で悩んでいるかもしれないし、後輩女性は生理痛で苦しんでいるかも。オープンに話せるような雰囲気を作れれば少しは心が軽くなる可能性も。

ヴィーナスちゃん(以下V) 
ヴィーナス期の体調不良で仕事を辞めてしまう人が1割もいるなんて驚きです。

有馬先生(以下 
仕事を辞めてしまう人は1割ですが、「仕事を辞めることを検討した」人も合わせると2割になります。この方々は結果として離職に至らなかっただけで、更年期のつらさがかなり深刻だとわかります。

V 
仕事を辞めることを考えてしまう背景にはどんなことがあるのですか?

 
「職場の人に迷惑をかけた」「業務上の配慮がなかった」ほかに、偏見を感じる、からかわれる、ハラスメントを受けたといった居心地の悪さを感じたり、周囲に更年期の症状がつらいと打ち明けるのが苦痛だったりということがあります。この調査は匿名で行いましたがそれでも「答えたくない」という人も多かったです。また、6割の人が更年期のつらさを誰にも相談していないという結果もあります。

V 
誰にも相談していない人が6割‼

 
生理や更年期は誰でもあるのに、オープンに話せない、“秘めごと”のような空気感がまだまだあるようです。

V 
自分でできることはありますか?

 
まず女性ホルモンは変化し、同時に体も心も影響を受けて変化するものだと知っておくことが大事です。そして症状が起きたら我慢しないこと。症状が進む前に、美容院に行くくらいの気軽さで婦人科に行ってほしいです。40代半ば頃からこれまでにない症状が出てきたら、内科ではなくて婦人科に行くべきです。仕事や家族の世話、家事に忙殺されているでしょうが、自分を後回しにしないでほしいですね。つらいのを我慢してもよいことはひとつもありません。そのつらさは明日消えるかもしれないけれど、何年も続くかもしれません。つらさがマックスになって仕事を辞めることになれば、収入が減る、社会的なつながりを失うことになることもあります。長期的な視点をもって、ご自身の健康について考えていただきたいです。人生百年時代ですから。

V 
更年期によい婦人科を探すには?

有 
「更年期外来」と標榜している医療機関はよいと思います。「女性医学学会」や「女性の健康とメノポーズ協会」などのHPにある専門医リストも参考になると思います。前述の協会では女性の健康電話相談を行っており、更年期に関する悩みや質問などを専門の相談員に具体的に相談できます。その他、コロナ禍でオンライン診療を始めたクリニックも多いですよ。オンライン診療なら話を聞いてもらうこともできますし、薬を試したければ処方箋を郵送してもらえますので、選択肢のひとつにしてもよいかもしれません。

ヴィーナス期と仕事に関するデータ②

ホルモン分泌の変化:男女の比較

女性ホルモンが閉経前に急激に減るのに対して男性ホルモンは徐々に減少。この差が、男性が女性の更年期症状を理解しにくい要因かも。男性も更年期症状が出るものの個人差が大きく、女性よりも悩みを抱えやすいともいえる。

ヴィーナス期と仕事に関するデータ③

更年期症状による仕事への影響

「辞めることを検討」「休養」までを含めると20%の女性が、ヴィーナス期に仕事をあきらめている事実が浮き彫りに! 頑張ってきた仕事を続けるためにも、収入をキープするためにも、婦人科で適切な治療を受けよう!!

ヴィーナスちゃんの調査結果

女性が働きやすい環境を作ってほしいけれど、実現するには時間がかかりそう。なので自己防衛作に力を入れるのが現実的。ひとりで悩まずに、まずは女友だちと不調バナシで盛り上がるなど、情報を共有する第一歩を!

●ガイド

昭和大学 医学部 医学教育講座 講師 
有馬牧子先生

公衆衛生学を専門とし、健康とキャリア形成、
ダイバーシティなどの研究を行う。
女性の健康と働き方について詳しく、
日本女性医学学会などでも活躍。


イラスト=二階堂ちはる 取材・文=黒川ともこ ※GLOW2022年2月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。

この記事を書いた人

GLOW編集部所属の女の子。ホルモンバランスや体型の変化など、様ざまなお悩みを抱えがちなヴィーナス期(更年期)の女性が知りたがっていることや疑問をリサーチしている。

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