【平安ファンタジー映画】山﨑賢人のアクションも! 安倍晴明の学生時代を描く『陰陽師0』 4/19公開 【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】
執筆者:伊藤さとり
アクション、衣装やVFXも注目
そんな本作ですが、狂言師・野村萬斎版が「唱える晴明」とするなら、山﨑賢人版は「アクション晴明」と言っても過言ではないほど華麗なバトルシーンが満載。しかもアクションは、「SEIMEI」というプログラムタイトルを披露した羽生結弦のスケートをイメージして作られたから美しい所作が斬新。個人的には香港映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(1987)を彷彿させる軽やかな跳躍から、アクションファンタジーとしての娯楽性を強く感じます。確かに衣装も平安スタイルを崩したデザインで美的センスも抜群。
他にも夢枕獏の原作に登場する晴明が親交を深める源博雅が初めて出会うシーンは、2001年版の『陰陽師』と同じく廊下でのシチュエーションで、学生の姿で初の呪術披露を。それだけでなく、今回は鳳凰や龍も姿を現しますが、平安京の全体の姿からダイナミックな爆破シーンまでとVFXがふんだんに使われています。本作のVFXを担当するのは『ゴジラ-1.0』(2023)で米アカデミー賞視覚効果賞受賞し、注目を浴びた「白組」。
魔法や魔術が好きな私にとって佐藤嗣麻子監督は、TVや映画になった「アンフェア」というより『エコエコアザラク』(1995)の監督。そのSF好きとファンタジー好きだからこそのこだわり抜いた幻想的な世界は、一度で観るとまた観たいと思わずにいられない魔法の薬のような映画でした。
——伊藤さとり
☑4月19日(金)全国の映画館で公開
『陰陽師0』
【あらすじ】呪いや祟りから都を守る陰陽師の学校であり省庁――《陰陽寮》が政治の中心だった平安時代。呪術の天才と呼ばれる若き安倍晴明は陰陽師を目指す学生とは真逆で、陰陽師になる意欲や興味が全くない人嫌いの変わり者。
ある日晴明は、貴族の源博雅から皇族の徽子女王を襲う怪奇現象の解決を頼まれる。衝突しながらも共に真相を追うが、ある学生の変死をきっかけに、平安京をも巻き込む凶悪な陰謀と呪いが動き出す―—。史上最強の呪術エンターテイメントが幕を開ける!
2024/日本/113分
脚本・監督:佐藤嗣麻子(『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズ)
音楽:佐藤直紀
主題歌:BUMP OF CHICKEN「邂逅」(TOY’S FACTORY)
呪術監修:加門七海
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2024映画「陰陽師0」製作委員会
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この記事を書いた人
邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。
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