家族6人で食費月に4万円! 元公認会計士の「貯金できるレシピ」と家計管理術の秘けつをインタビュー!
執筆者:夏目 円
子どもたちの好き嫌いがきっかけ。家族みんなで一緒のものを食べたい!
――かさまし料理をはじめたきっかけは何ですか?
もともと料理が好きだったということもありますが、きっかけは子どもたちの好き嫌いです。4人子どもがいるんですが、とくに長男長女の偏食が激しすぎて、とにかく1日1日を乗り切るのが精いっぱいでした。元気で1日過ごしてくれたらいいっていう気持ちがものすごく大きくて、その当時は食べられるものを中心に作っていました。しかし次男と末娘が生まれたことで少しずつ、いろんなものを食べさせたい、家族みんなで一緒のものを食べたいと思って、それぞれが苦手な食材をわからないように混ぜて作りはじめました。
――なるほど、家族全員が食べられる食事メニューだったんですね。
末娘が生まれたぐらいから料理ブログの発信をはじめたんですが、最初は今のスタイル(かさまし料理)ではなく、子どもの好き嫌いを克服するためのレシピでした。ですが、結構食費がかかっていることがわかって、このままではまずいと思って月の食費をおさえるために、かさまし料理をつくりました。
●かさまし食材とメイン食材って何?
――材料を“かさまし”する食材は、焼き麩、豆腐、高野豆腐の3つですね。それぞれおいしく変身させるコツは?
豆腐はとくに水気をしっかりとしぼること。水気が少なくなればなるほど、肉感が増します。焼き麩は、お肉や調味料がもつ水分で混ぜ、様子を見ながら水を足すことでちょうどよくなります。高野豆腐は、フードプロセッサーで粉砕し生の豆腐と混ぜると使いやすいです。また、つなぎに使う粉類もポイント! 片栗粉、薄力粉、米粉など家であるものでかまいません。
――メイン食材は、鶏むね肉、豚こまぎれ肉、魚の3つ。調理のポイントは?
食費をおさえるために選び抜かれた3つのメイン食材で、常にストックしています。細かく切ってかさまし食材に合わせ、焼いたり、揚げたりしています。家族の偏食を克服するのがきっかけではじめたかさまし料理なので、苦手な食材や避けたい食材があっても、混ぜてしまうことで、家族は気づかずに食べてくれます。
――他にもかさまし食材があるそうですね。
節約食材のもやしもおすすめです。袋ごとたたいて細かくして、水気をぎゅっとしぼって使っています。また、えのき、エリンギ、はんぺん、厚揚げなども上手に使えます。
●年収の1/3を貯蓄にまわす、家計管理術とは?
——うさまるさんは、元公認会計士ですが、家計管理は苦手だったとか?
そうなんです。家計簿はつけていましたが、ただ書くだけで終わっていました。でも、現役時代を思い出して家計簿を分析しました。家計簿ってただ書いているだけでは何が問題なのかわからないので、会計士時代の分析手法を活用。食費や日用品などの費目ごとに見て、前月や前年同月との違いを細かく確認して、何にお金を使っているのか“見える化”しました。
——確かに、家計簿をつけることはしても分析することはなかなかできませんね。
例えば食費だったら、食費が合計いくらかかっているというのではなく、食費の中身を見ることが肝心。例えば、生鮮食品なのか、調味料なのか、パンなのか、お米なのかという具体に、細かく分類しておかないと、いったい何が多くかかっているのかわかりません。この金額で妥当かどうか、じつは余計なものを買っていたなど、わかりますよ。
——細分化することがポイントですね。
今月だけ食費を減らせばいいなら何とかなるかも知れませんが、継続していかないといけないので、先を見越していくためにも分析が必要ですね。
●食費月4万円への道は、買い物の仕方を変えること
――買い物は週に1回しているそうですね。
家計を見直していちばん効果があったのが、買い物の仕方と購入内容。買い物に行く回数を週に1回にして、行くお店もディスカウントスーパーや激安の八百屋さんにしました。さきほどお話したかさまし食材、メイン食材にしぼったことで、食費は激減しました。
――クレジットカードではなく、現金で支払いしているとか?
食費はすべて現金で管理しています。ディスカウントスーパーで使うカードにあらかじめ現金をチャージしておいて、その中に入っている金額以上は使いません。
――確かに、上限が決まっていれば使えないです。
自分の中で“ここまで”っていう線引きをしていれば、無駄使いはできませんから。1週間に1万円を限度に計算しています。クレジットカードのポイントも魅力的ではありますが、ポイントよりもそもそも使わなきゃいいかなって私は思っています。
この記事を書いた人
美容ライター。2023年4月よりメルボルンに移住、シティからトラムで20分、ビーチから徒歩10分という絶好のロケーションのアパートに娘と二人暮らし。50歳にして味わう初体験の数々に驚きと戸惑い、さらに興奮を隠せない日々が続くも、第二の人生をとことん楽しんでいる。母娘移住のきっかけ、日常のあれこれは毎週金曜日「note」にて更新中。